6.《ネタバレ》 IMAX音響で視聴。
怒りのデスロードの前日譚という事で「怒りのデス・ロード」に熱狂したのと、主演のフュリオサを、以前から応援してるアニヤ・テイラージョイが演じるという事で、非常に期待して観に行った感じです。
端的な感想としては、マッドマックス世界をバリバリ描いてイカレタ世界観とか、激しいアクションシーンの数々とか、各役者の熱演とか新登場キャラも良かったし、ストーリ展開や落ちはマッドマックス世界らしい展開と落ちで良い感じと思ったんですが、フュリオサの敵役のディメンタス将軍がショボくて、せっかくいいお膳立てをされても悪役が映えないとメリハリが付かないよなー、ということで、実に惜しい感じでした。
あと、アニヤ・テイラージョイ演じるフュリオサが美しすぎる(笑)。
幼少期のフュリオサは子供なのに肝が据わってたくましく美しく将来の成長が楽しみな感じで非常に良かったし、母親のスナイパーもメチャカッコいいし、フュリオサを助けてくれる警護隊長ジャックもカッコいいし、あと、今回はまだ負けないイモータン・ジョーが悪役だけどクソカッコイイというのが驚きでしたか、アニヤ演じるフュリオサも中盤恒例の難しいダンプのカーアクションで大活躍で熱演してしており、それぞれ良かったんですけど全体のまとまりとしてどうかってところで。
クリス・ヘムズワース演じるディメンタス将軍は、いろいろ非常に難しい役柄と思われて長台詞や見せ場が多数あって熱演されてたと思うんですけど、マッドマックス世界的なありがちな残虐な悪役かというとそうでもなく、それは意外性として悪くはないんですが、文明が失われた世界で過去の文学とか知識を身につけた知的な悪役ならそれでも良いかと思ったらそうでもなく、意外と簡単な騙しにすぐ引っかかって間抜けな面を見せ、逃げたフュリオサを追うため閉じた門をどう知的にクリアしていくかというと知性のかけらもなく力推しで巨大ジープで無理やり門を押しつぶして進むとか、フュリオサに追われて逃げる時も姑息にせこく立ち回って、小物臭が半端なく、言ってることも行動も支離滅裂で一貫性がなく、全然復讐に値しないっていうか、全体の構成が復讐相手の悪役さえ引き立てばそれだけで全体が締まるようにおぜん立てされてたにもかかわらず、悪役として煮え切らないため、いまいちまとまらなかった印象を受けました。
クリス・ヘムズワースは悪役はあんまり向いてないのかもなーって思ったり。
あと気になったのは、アニヤ・テイラージョイが美し過ぎるせいでついつい綺麗に見せるカットを長めに撮ってしまうというのが本作でも発揮されてしまってるのが、フュリオサって性別を隠して潜伏してるはずなのに目立ちすぎるのはどうかというのがあり、緊張感を削いでたかと。あと警護隊長ジャックが人生経験豊富で思慮深そうなのにすぐにフュリオサに恋に落ちてしまうのがちょっとどうかというのと、アニヤ・テイラージョイ演じるキャラクターが素直に恋愛関係になると必ず相手はしぬ(苦笑)展開がすごいベタに来て、またかー><と思ってしまいました。
あとフュリオサって完全に自立して力強い印象だった(幼少期もそうだったし)のが、女性的な弱い一面がちらほら各所に見えてしまったのがどうかとも思ったり。
逆に良かったのはイモータン・ジョーが終始一貫筋が通ってて悪の魅力に満ち満ちてたのと、アクションシーンも相変わらずの迫力に新アイデアも盛り込まれて素晴らしかった(パラシュート最高!)ってところですか。
落ちについては、個人的にはマッドマックス世界的にとても良かった(マッドマックス世界ならそう来なくっちゃ!)んですけど、ああなるには悪役がバチクソにキレキレに引き立ってないとなあ、ということで実に惜しい印象でした。
そんなところです。