ANORA アノーラのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ANORA アノーラ

[アノーラ]
ANORA
2024年上映時間:139分
平均点:7.33 / 10(Review 3人) (点数分布表示)
公開開始日(2025-02-28) (公開中)
ドラマコメディロマンス
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タイトル情報更新(2025-02-04)【Cinecdocke】さん
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監督ショーン・ベイカー
キャストマイキー・マディソン(女優)アニー(アノーラ)
ユーリー・ボリソフ(男優)イゴール
脚本ショーン・ベイカー
製作ショーン・ベイカー
配給ビターズ・エンド
ユニバーサル・ピクチャーズ
編集ショーン・ベイカー
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2.《ネタバレ》 大人だからこそ、若さがあるからこそ、大きな困難を乗り越えられると思っていた。
だが、いくら大金を得られてもヒエラルキーからは逃れられない。
そして強大な権力によってどうしようもない厳しい現実に打ちのめされる。

NYのストリッパーで時折性的なサービスも請け負っていたアノーラが求めていたのはお金だったのか、
それとも自分自身を受け入れてくれる代わりの利かない愛情だったのか。
最初で最後かもしれないチャンスに彼女は必死にしがみつく、必死に抵抗する。
大富豪の部下たちの脅しには汚い言葉で打ち負かし暴れまくる。
決して折れまいと毅然とした態度で立ち向かうマイキー・マディソンのパフォーマンスに圧倒された。
ポールダンスからロシア語まで完璧にこなし、アノーラというキャラクターに現実味を与える。

本作では愚かな人間しか登場しない。
勢いでアノーラと結婚した大富豪の息子のイヴァンですら、彼女を置いて逃走して、NYのクラブで泥酔しまくるし、
自分という核がなく流されるがままの幼稚で無責任な青年。
両親を見ても「この親にして、この子あり」な横柄さでロシアという国家そのもの。
その中で寡黙な用心棒のイゴールだけはアノーラに対して距離を置きながらも、彼女を気遣い、見守っていた。
婚約解消のシーンで部外者ながらイヴァンを謝罪させるべきだと進言したのも彼だった。
ある意味、彼だけはファンタジーの住人だ。
当たり役を好演したユーリー・ボリソフに肩入れしたくなる。

夢から醒めたように現実に叩き戻されるラスト。
朝から白い雪が降り続く灰色の世界に、車のエンジン音とワイパー音だけが響いている。
自分に良くしてくれたイゴールへの厚意を性行為でしか示せない悲しさに今まで張り詰めていた糸が切れ、
アノーラは"一人の女の子"として泣き崩れる。
イゴールもやんわり拒否しながらも無言で、
「もうこれ以上、自分を傷つけなくていいんだ、頑張ったよ」と彼女を慰めているように見えた。

アノーラのこれからの物語はどうなるのだろうか?
きっと、二人は恋人同士になれなくても、お互いに信頼し合える存在として支え合いながら強く生きていくと思う。
なんたってアノーラはロシア語で"光"を意味するのだから。
Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 7点(2025-03-03 18:50:32)★《更新》★
1.《ネタバレ》 『フロリダ・プロジェクト』や『レッドロケット』のショーン・ベイカー監督が、ついに賞レースの最前線へ! しかもテーマは、ストリッパーとロシア人富豪のバカ息子の恋? うわ、めっちゃ面白そう、っていうか絶対面白い、という諸々のハードル上がりまくった状態で映画館へ。

結論としては、うーん・・・思ったのとは違った。それにいままでのショーン・ベイカー作品と比べるとちょっと飲み込めない部分もある。

「恋愛成就からその後まで」映画といえば『ラ・ラ・ランド』をはじめ珍しいパターンではない。この映画の奥深さは「それって恋愛なの?」という疑問がそこに挟まれていることだ。ストリッパーと客として出会い、前半は基本的に短いセックスシーンと乱痴気騒ぎの連続。そんな「底の浅さ」の頂点に「ラスベガスでの結婚」がある。そんな軽薄極まりない結婚に「シンデレラ・ストーリー」を見出すのが「新しさ」なのか?といろいろ疑問が頭に・・・。そこから、物語は俄然面白くなる。それまでの短いカットでポンポンと進んできたストーリーと比べると、無駄に長いポンコツ三人組との組んずほぐれつの格闘シーン。ここで、とにかく屈しない主人公アノーラ。ここで初めて、アノーラという主人公の核が見えて、物語がクリアになる。

その後のイヴァン捜索のグダグダからラストまでの展開にはハッとする瞬間もあったけれど、とくにロシア人父母が登場してからはモヤモヤが。アノーラを含めて全員クズなんだけど、それが何重にも重なるやりとりがイマイチ心に響いてこない。それはたぶん、あのロシア人一家がわかりやすい悪役で心を許せる要素がほとんどなかったせいだと思う。クズがクズであることの人間的な魅力はやっぱり社会の周縁にあってこそなんだと実感。富豪一家は本当に単なるクズで、いまの世界をかき回している有害なクズたちの姿に重なって、ただただ不愉快だった(今朝あいつとあいつの腰巾着がウクライナ大統領に放った暴言の数々をみちゃったから、なおさら不愉快)。

だから、ラストがあの二人のシーンになったのは必然だし、そこは本当に素晴らしい。雪の風景、音の演出、そしてアノーラの涙。「それって恋愛なの?」という最初に抱いた疑問が、ここで深く突き刺さる。マイキー・マディソンにオスカー主演女優賞とってほしい!と心から思えた幕引きでした。
ころりさんさん [映画館(字幕)] 7点(2025-03-01 10:19:46)《新規》
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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 7.33点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7266.67%
8133.33%
900.00%
1000.00%

【アカデミー賞 情報】

2024年 97回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演女優賞マイキー・マディソン候補(ノミネート) 
助演男優賞ユーリー・ボリソフ候補(ノミネート) 
監督賞ショーン・ベイカー候補(ノミネート) 
脚本賞ショーン・ベイカー候補(ノミネート) 
編集賞ショーン・ベイカー候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2024年 82回
作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)マイキー・マディソン候補(ノミネート) 
助演男優賞ユーリー・ボリソフ候補(ノミネート) 
監督賞ショーン・ベイカー候補(ノミネート) 
脚本賞ショーン・ベイカー候補(ノミネート) 

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