1.終始ジメッとした雰囲気に徹しており、観客をどんな気分にさせたいかきちんと考えられている。こういう分かりやすさがアメリカ映画の良さだと自分は思う。内容的にはホラーというよりスリラー、サスペンス、捜査モノ。ホラー要素はとりあえず悪魔という概念が出て来る所。ニコラス・ケイジの怪演が光るが、一応れっきとした人間。彼がどうやって犯罪を遂行するのかが確かに超常的で謎めいており、悪魔的ではある。
こうしたジメッとした空気に浸るのは決して悪くない。10億という低予算で作られたこの作品、100億を稼ぎ出すヒット作品になったのは、この独特の暗さ、謎解き要素、ニコラスというスターの出演、そして何よりマイカ・モンローの美貌も一つの要因として挙げられるだろう。正直マイカ・モンローをそんなに綺麗な女優さんだとは思っていなかったし、しばらくは誰だか気付かなかったくらいだ。ぶっちゃけこれまでに見たどのマイカよりも美人である。変身が上手すぎて素顔がよく分からない女優さんだが、この映画に出て来るマイカはかなり「知的で地味で暗い田舎の美人」に寄せて変身出来ている。こういう女性像は絶対に人気が出る。男のツボをよく理解したキャラ作りだ。また真っ暗闇の劇場で観覧したいと思える良作。