9.《ネタバレ》 催眠術というと何やら見せ物的で胡散臭いイメージがあるが、医療の現場にも催眠療法として使われている。
それを悪用した事件なのだが、精神科医とコロンボの駆け引きが興味深い。
ヘッドライト、タイヤ痕、ライター石、ストッキングにくるめた貴金属、催眠導入剤…疑問を次々と犯人に投げかける相変わらずのねちっこさ。
医師仲間のパーティの席で、事件の推理を皆に披露するコロンボと、コロンボの注視の中で殺害暗示の電話をかける犯人は緊迫感があって見応えあり。
目撃者が盲人ということを逆手に取って、本当の目撃者は犯人自身とするオチはオシャレ。
作中、コロンボがおんぼろの愛車プジョーをフランス製の外車とやたら自慢していたのがおかしかった。