2.史実を知らないと、かなり複雑で理解がむずかしい人間関係。その人間関係がテーマなので、淡々と緊迫感をはらみながら進むストーリーは、退屈でもある。王妃の幽閉とか、王子たちと国王との緊迫した関係とかは、夫婦愛や親子の愛なんてものが、無きに等しかった時代の話なのだとわからないと苦しい。王太子の婚約者であるフランスの王女を、国王が何故寝取ろうとするのかも、ハッキリ言って持参金としての領土の価値が分からないと、単なるグロテスクな人間関係である。しかし、そのグロテスクな家族の夫と妻を、ピーター・オトゥールとキャサリン・ヘプバーンが好演。すばらしく、うまい。よく見たらアンソニー・ホプキンスが王子の中にいた。びっくり。