12.《ネタバレ》 話の内容や演出の意図が隅々まで分かり易い・伝わり易いというサイレントではない…とも思いますが、ソレでも一点、サイレントならではの「演技の質」とゆーのには、また大いなる見ドコロが在るという作品かと思いました。やはり、音・台詞に頼らないという意味ではある面で非常に「高度な」とゆーか、少なくとも現代のソレとはかなり「異質な」という意味での面白さ・興味深さとゆーのが(サイレント映画の演技には)存在していると思うのですが、今作は、まず状況設定からして異常なコトもあり、かなり独特・独創的なソレを観るコトが出来たという実感はごく強力でした。やっぱり、兎に角はチェザーレ、でカリガリ博士、そしてラストにかけてはフランシスとジェーン…この彼らの「狂気」の表現は、間違い無く実に高度で普遍的な演技の仕事だったと思います(+そしてまた高度に異質で「ココでしか観れない」という感じも在り)。コレまでも、またコレからもずっと、永く観て損は無い作品として在り続けるのではないか…と思いますね。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-03 20:51:37) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 中世ドイツで流布していた民間伝説を基にして舞台設定を近代(?)に持ってきた脚本、「夢遊病者がフランケンシュタインの怪物みたいに恐れられている」という世界、その不安定な世界線には何となく違和感を覚えますが、オチを知ると納得してしまいます。でも良く考えると、百年以上前の作品だということには戦慄を覚えます。 この映画を語るときにはアイリス・ショットの多用が取り上げられますけど、当時の映画撮影技術としては良く使われていてさほど珍しくもない。真に凄いのはやはりアヴァンギャルドなその美術やセットで、まさにこれこそ“ドイツ表現主義”の誕生した瞬間と言えるんじゃないでしょうか。またカリガリ博士やツェザーレのメイクが毒々しいほどで、「メイクも俳優の演技の一部」というような製作者の主張すら感じさせられます。また当時の撮影技術では闇を映すことが出来なかったので、逆手をとったようなホワイトバックでの闇表現がまさに“白い闇”という感じで禍々しさが強調されている感すらあります。「実はすべて精神病院入院患者の妄想だった」という当時のハリウッド映画では考えられないような身も蓋もない幕の閉じ方も、いかにもドイツ映画らしいと言えるでしょう。脚本にはフリッツ・ラングも係わっていたそうですが、このストーリーテリングも後世に多大の影響を与えていることも見逃してはいけないでしょう。 DVDは字幕が英語なので英米向けバージョンだったんでしょうけど、劇中で映されるカリガリ博士の日記なども英語で綴られていました。これって言語バージョンごとに撮っていたのかな、オリジナルは当然ドイツ語でしょうし、とすれば芸が細かいことです。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-08-04 21:27:03) (良:1票) |
10.ドイツ表現主義映画のハシリであり極北。天才博士にして連続殺人鬼というキャラはラングの『ドクトル・マブゼ』に継承され、実行犯の眠り男の描写と光と影による恐怖演出はムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』に継承される。この頃のドイツ映画は物語が洗練されていてとても楽しめるものが多く、これも例に漏れずで回想形式によるドキドキ感とラストの驚きのどんでん返しは当時の観客をとんでもなく驚愕させたんじゃないだろうか。ただ、その一方でどんでん返しのオチが懲りすぎているようにも感じてしまったのは、おそらく幻想的な映像でじゅうぶん興奮しているところにえらく現実的なオチを持ってきていることに対する不満だと思う。不安を背景全てで表現する前衛的なセットと、モノクロにもかかわらずカラフルさを感じるセットの色が強烈なインパクトを持っていて、それだけでも十二分に楽しめる映画。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-06-19 13:45:56) (良:1票) |
9.雰囲気が・・・すごいなぁ。サイレント映画の頃のドイツ映画っていうのは今じゃ誰もマネできないしリメイクなんかできるわけない。少々画質が悪いのが難ですが、怖い演技は「吸血鬼ノスフェラトゥ」に通じるものがあるかと思います。インパクトの印象ではどぎついし不気味すぎるセットと映像は印象に残りすぎるぐらい。カリガリさんがフランケンシュタインに似てたのはちょっとツボ(笑 |
8.モノクロと無声映画、そして時代を経た古さからくる不思議な感覚がまず映画の世界にひきつけてくれる。いったいこの時代にどんなストーリーを展開してくらるんやろーって感じで観てると、なんだかワクワク。しかし意外と猟奇的で興味深いストーリーにちょっと驚き。いや、冷静に観ると、なんや、そんな話はアリガチって思えるが、猟奇的オトギ話感覚ってゆーんかな、この雰囲気でこんな映画は最近では逆に新鮮。夢遊病者の眠り男、カリガリとゆう不気味なネーミング、ヘンテコな建物、しかも1時間もない短さなので観やすいし。眠り男が最初に目覚めるシーンが特に好きです。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-27 14:24:47) (良:1票) |
7.サイレント期のドイツ映画はどれも素晴らしい。ドイツ表現主義の映像の迫力は、それだけで言葉を必要としない。この作品の大掛かりなセット撮影にしても、平衡感覚を失った前衛的な建築物のデザインには驚かされる。数多く見られる実験的なマスキングも興味深く、チェザーレが女の部屋に忍び込むシーンでは、斜めの構図を思わせる菱形のマスキングが施されている。全てが効果的なものばかりではないが、その模索が感じられる。カフカ的な悪夢を映像化したストーリーもこの時期らしい。一方で、ソニマージュとして完成されている音楽との調和には編集技術の高さも感じられる。この作品自体が傑作というわけではなく、後の傑作を支えた重要な足跡じゃないかと思う。 【ハッシーふりかけ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-03-16 15:32:23) (良:1票) |
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6.これは、ある意味衝撃でした。このシュールな芸術性が、後のジャン・ピエール・ジュネとかに引き継がれていくんでしょうか。もうずいぶん前に観ましたが、今でも映像が頭に残ってます。 【金子淳】さん 7点(2004-07-01 13:05:08) |
5.19年という時代にこの斬新な映像が作られたって事にまず感心する。今見てもおもしろい。 【キリコ】さん 7点(2004-01-17 12:20:17) |
4.こんな昔からサイコネタが確立されていたとはビックリ。 セットがチープ(当然昔だから)である分デザインの面白さが堪能できて良かったです。 【番茶】さん 7点(2003-11-23 15:22:47) |
3.見た環境はよくなかったんで、少しあれなんですが、面白かったですね。カリガリ博士みたいなのはしゃべると逆に興ざめしてしまうかも。無声映画という環境とそして何よりもあの独特のかきわり式背景で雰囲気十分です。弁士がついてるのもぜひ鑑賞したかったです。 |
2.少し変わった雰囲気が良いです。無声映画といえばチャップリンですが、彼とは少し違う感じが出ていて面白く観れました。 【恥部@研】さん 7点(2002-12-10 10:52:09) |
1.ほとんどモダンなセットで作られ、ストーリーもシュールな不思議な映画。眠り男がフランケンシュタインにそっくりなのはご愛敬。個人的にはガリカリが目を魚路つかせるシーンが好きです。 【ジョン】さん 7点(2001-12-27 12:00:14) |