7.《ネタバレ》 炊事場の正面の窓の光や障子の眩しいくらいの白がとても美しく、常に映される大自然が人工の光を自然の光に化けさせる。新人監督のコントロールできないところで「照明」と「撮影」が映画を飛び越えて美しすぎる映像を作り上げる。作品を超越してしまったその技がかろうじて、そして奇跡的に河瀬監督のこれまでの生い立ちと短編ドキュメンタリーで培われた独自の視点との融合を成している。劇映画としてはたしかに説明不足な感はあるかもしれないが、男の子と女の子が兄弟ではないことは途中でわかるし、それ以上の関係性の説明など、さして重要だとは思えない。この家族は窓を開ければ常に山が見えるところに住んでおり、どこへ行くにも、どこへ行かなくとも、この山々とともに生きてきた。それがわかればいいのだ。家族の崩壊は、この山々とともにあった生活とのお別れへと直結するのだから。容赦なく時は流れ、けして流れに逆らうことはできない。崩壊の摂理の無常さがよく描かれていると思う。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-07 10:12:14) (良:1票) |
6.田舎の風景を適当に撮っておけば、それなりに郷愁みたいなものを感じることができるということが分かった。その点で、素人さんを大勢使ったことは、この映画に関してはプラス材料だろう。内容は、たいしたこと無い上に超難解。映画としては完全に失敗作だが、主演の子の可愛さと田舎の風景に7点。あげすぎ。 【太郎】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-25 11:34:28) |
5.《ネタバレ》 この映画が高い評価を得たのは、やはり田村正毅の美しいカメラワークに拠る所が大きいと思う。難解な話ではないけれど、説明が最小限、というか不足なので話の筋は捉え難い。僕なんぞはアホなもんで、劇中で時間が経過したことに気づかず、「あり?あの男の子と女の子はどこいっちゃったの?」とずぅーっと考えてたし、家族構成も一回観ただけではよく分かりませんでした(最初エイスケとミチルが兄妹だと思ってたのだけれど、エイスケはお父さんの姉の子供、つまり従兄妹同士なんですな。エイスケの母親は、自分のわがままで息子をほったらかしにして大阪に行ってしまったらしい)。なので、この映画に関しては、まず粗筋を捉えてから観た方が良いと思います。で、色々欠点も多い作品ではあると思うけれど、演出におけるドキュメンタリー的手法を部分的に取り入れた試み(あくまで「試み」であって「完成形」ではない←おっ、なんかこーゆー物言い、まるで【STING大好き】さんのようだ)は、とても刺激的でした(他にも、是枝和裕監督が似たようなことをしていますね)。それに、ラストで流れる「懐かしい、あの頃」を映した8ミリの映像、そしてミチルの台詞が被さり、エンドロールへとつながる所では、不覚にも涙がこぼれてしまいました。月並みな言い方ですが、今後の作品が楽しみな監督の一人だと思います。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-03-19 16:16:29) |
4.少女漫画的というと語弊があるかもしれませんが、とても抒情的だと思います。好みが分かれる気がします(個人的には好きですが)。 【its】さん 7点(2004-01-05 01:48:51) |
3.奈良・西吉野、個人的にこの地は思い入れがある土地なので良。無駄な説明を排除し、画面を通して徐々に理解させられる点も面白く、なにより少女が良い。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2003-08-17 09:14:04) |
2.本編では登場人物の関係が分かりづらく、見終わった後にあらすじをネット検索してようやく分かりました。でもそれでこの映画の評価が下がるのではなく、むしろ見終わった後にも情景を思い出しながら楽しめる、「一度で二度おいしい」作品といったところでしょうか。 【からがも】さん 7点(2002-11-12 22:35:12) |
1.謎が謎のままで終わるような感じだったけど、雰囲気がとても良い。自分でもよく分からない所で途中何度も泣きそうになった。でもお父さんは何故亡くなったのだろうか…事故??自殺?? 【むた】さん 7点(2002-09-03 07:04:33) |