5.《ネタバレ》 むかし観た映画雑誌で、TVみたいな箱からオマー・シャリフが顔だけ出している画像がこの映画の紹介として使われていてずっと「アレはなんなんだろう?」と気になっていましたが、まさか圧縮された自動車に閉じ込められていたなんて・・・ ジム・エイブラムズ&ザッカ―兄弟の小ネタ集みたいなお得意の構成ですが、彼らの初期の仕事にしては脇を固める俳優陣がなんというかまさにムダに豪華な典型って感じです。オマー・シャリフから始まってジェレミー・ケンプ、ピーター・カッシング、マイケル・ガフ、彼らみたいな渋い俳優がこんなおバカ映画に出ているのを観れるのはすごく得した気分です。『裸の銃(ガン)』シリーズと違って既存映画のパロディがほとんどなく、純粋な(?)小ネタギャグをこれだけ連発してくれているので、自分は『裸の銃(ガン)』シリーズよりこっちが好みです。アホっぽいヴァル・キルマーが彼らしい大根演技でアホなことをやっているって一周回ってなんかシュールですが、エンドロールを信用すると劇中の唄は全部本人がパフォーマンスしているみたいで、ヴァル・キルマー恐るべしです。プレスリー風のロックが流行っているところからすると60年代が設定みたいですけど、東独軍人たちの制服はナチ・ドイツとほぼ一緒。レジスタンスの面々も名前も風貌もフランス人で、これも大戦中のお話しみたい。もちろんこういうグチャグチャはザッカ―兄弟たちの狙ったところですけどね。 そういやNATOの潜水艦を一網打尽にする陰謀はどうなったんだ?なんてツッコミは野暮ってもんで、投げやり・尻すぼみな展開もザッカ―兄弟なら許されるってもんでしょう。