7.《ネタバレ》 原作は全くの未読なんでどんな話かは知らんけどこれは不条理すぎる。現実世界じゃこんなんねーだろな事はおいといてオーソン・ウェルズの世界観というか個性というか、モノクロ映画を通しての建物の中の雰囲気が異様すぎる。現実ではないのは当たり前なにこの怖さをよく表現できてるし一人の男が一夜にしてどん底に落とされた役をアンソニー・パーキンスが弱弱しくながらもいい感じに演じてました。結構すごいエキストラとセットの奥行き感はハンパないですが裁判なのに判決がどう出るかもう既に決まってるのは不条理の固まりすぎてもうなんも言えねーなー。 |
6.原作を妙に意識した結果、原作を超えられないことになってしまった典型の映画。ロミー・シュナイダーは良いと思う。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-03 11:28:33) |
5.《ネタバレ》 やたら広い空間と狭い通路の対比。空間と言うより空虚ですか。会社のオフィスが圧巻。仕事が終わり、みなが帰っていくシーン。ここは天井が高く、Kの部屋は反対にやたら低い。それに法廷のシーンの人々、あれ上の方まで全部本物だったんだろうな。そしてそれらをつなぐ無数の迷路や階段。子どもたちのざわめきの中を追われるように逃げていく。ま具体的な映像世界ということで仕方ないんだけど、もっと「手応えのなさ」みたいなものが、カフカでは欲しい。「世間」はハッキリと逃走を誘うように迫害してくるのではなく、柔らかく微笑みながら次第に身動きできなくしてくるものなのではないか。ラストをダイナマイトにしたのは、現代では直接ナイフで刺してもくれない原爆の時代だということなのかな。煙がちょっとそんな感じだった。ロミー・シュナイダーが鏡とガラスが交互になっている向こう側を駆け抜ける。ここらへんの顔のアップでのセリフのやりとりは緊迫。全体にあおるカメラ、だから天井がいつも抑圧してくる。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-11-07 10:55:19) |
4.夢を彷徨っているような雰囲気。巨大な迷宮のような裁判所のセットがツボでした。そんな中オーソン・ウェルズの怪演も見事。「裁判」なのに「判決」シーン無しに即「刑執行」ってどうなの?とも思いました。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-12 20:03:55) |
3.不条理映画の決定版。何が何だかわかんないまま判決が下されて、地中に埋められるっていうのは怖過ぎです。出てくる女性たちも不気味な連中ばかり。ロミー・シュナイダー扮する手に「水かき」がある女っていうのは何かの象徴なのか? 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-14 11:13:59) |
2.何て居心地の悪い映画だろう、まるで悪夢のようだ。人間なら誰しもが潔白ではないからこそ身につまされる。 【かんたーた】さん 7点(2004-12-04 19:23:59) |
1.カフカは、ストーリーではなくシチュエイションの作家だと思います。この「審判」も妙に視覚イメージに訴えるものがあり、映画化というのは逆に難しいところ。映像化してくれる事自体はよいのですが、どうしても自分の持ってたイメージとそぐわない部分があるんです。第一、ヨーゼフ・Kがノーマン・ベイツなんでは、「コイツがそもそもノイローゼなんじゃねーの」という気がして、不条理劇に見えなくなってしまいました。ラストを変えたのも、うーん。どうかなあ。だったら映画全体をもっと原作と切り離して作っても良かったのでは?決して悪い作品ではないだけに、惜しいのです。 【鱗歌】さん 7点(2003-05-24 00:47:09) |