4.《ネタバレ》 ロケット花火の戦争ごっこに、学生時代の夏休みの思い出が蘇る。
ところが一転、戦死した若者の墓に愕然とした二人に、花火がベトナムでの戦火に重なってくる。
当時のアメリカの若者が置かれていた状況がはっきりと伝わってくる。
バカ騒ぎの裏に垣間見えるシリアスな現実。
故障した車を列車に引かせようとしたシーンや、スカイダイビングの件は傑作だった。
洗濯物と人で必死に作った文字が「GO ON」になってしまったのは笑えたし、あのファンキーでパンクな飛行機野郎も最高。
5人の個性が際立っていて、中でも寡黙な巨漢が地味におもしろい。
ある意味、主人公よりも人間的に魅力を感じた。
他に、メンバーの一人がずっと酔いつぶれていてほとんど出番がなかったのもユニーク。
友情を感じる爽やかな青春映画に仕上がっているが、ひとつ引っかかったのは息を吐くように嘘をつく主人公の手馴れたやり口。
口八丁で騙しているのが人の良い老人や田舎者というのがちょっと…。
詐欺師の才能があるようで少し引いてしまう。
5人の消息を紹介するようなエピローグはなかったが、主人公が悪徳商法に手を出して検挙される絵がふと浮かんできた。
もしそれを描いていたら、コメディとしてはアリだけど、青春映画としては台無しかな。
当時30歳のケヴィン・コスナーは、貫禄がありすぎてとても学生には見えなかったのが残念。
再鑑賞。
グループ結成を祝ったドン(ペリ)に会いに行くのはちょっと動機が弱い気もするけれど、別れと旅立ちの卒業旅行の切なさが出ててやっぱり良かった。