50.なんで、偽札作るのにホンモノのお札使ってるんだよう。 ってコレ、考えようによっては、バブル経済そのもの。お金がどんどん、大金に化けていく。 映画が製作された96年は、バブル崩壊の後。だけど、作品の中ではまだ「円」が憧れの的になっているという設定で、これだけでも充分、日本人には痛烈なものを感じさせる(感じさせた)わけですが、さらにまた、こうやって、子供たちが偽札という新たなバブルで一儲けを企んでいるという皮肉。 ただしそれは、実世界のバブルへの復讐のように思えたりもするけれど、とにかく。 こういう「思わせぶり」な映画は、正直、苦手な方なんですけれど、しかしここまで不思議な、しかしどこか懐かしさのようなものを感じさせる世界を作り上げられてしまうと、やはりこれはスゴいな、と思わされます。現代の日本の都会と、架空の世界との同居。しかし架空の世界と言っても、それはかつての日本、当時のアジア、なんとなく懐かしさのある世界。21世紀の今、それはどこにあるんでしょうか。 作中で描かれる少年少女の世界が、また懐かしさの一端を担っているようです。伊藤歩は美人になりました。この当時は見事にイモっぽいですねえ。だからこそ貴重で、だからこそ魅力的。これは、彼女の映画だと思う。 偽札というバブルに頼らない、その次の世界へ。というラスト。しかし実際の世界では、各国がお札刷り競争をやってるのだけど、、、 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-03-06 21:39:17) |
49.今更観たけど、ちょっと衝撃的だった。邦画でなかなかこういう世界観の映画はお目にかかれないし、ただ世界観が独特なだけでもないのが素晴らしい。少しストーリーが迷走するけど、それを補うキャラの魅力がある。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 7点(2018-10-27 20:29:27) |
48.《ネタバレ》 前衛的かつ実験的な映画やけど、そういった映画にありがちな独りよがりさや意味不明さはなくしっかり人間が描けている。 公開時期や金の扱いからバブルがはじけたことに関してモノ申したかったのかもしれないけどそれはよくわからない。 日本映画は歌の使い方がイマイチな場合が多いけどこの映画は非常に良い。 しらじらしさがなく自然にその場に登場人物にあった歌が流れる。 もっとこういう良質でセンスのいい歌モノの邦画が観たい。 【CBパークビュー】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-09-08 01:18:51) |
47.《ネタバレ》 製作年度は1996年。現実にはバブルが弾けて「失われた20年」と云われる経済低迷期の初期あたりです。バブル期には似たような出稼ぎ移民がいたように思う。バブルが超円高のまま継続していたらどんな世界になっていたのか。今だから覚える感想かもしれないけど、バブル景気へのレクイエムでした。日本はかつて夢の国だったのです。 ゴミゴミした世界観でも、この監督が撮ると不思議とファンタジーが匂います。ティーン伊藤歩のオッパイ、綺麗でした。エッチと云うより透明感を覚えました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-06-10 01:14:21) |
46.《ネタバレ》 まだ顔も出来上がっていない少女がタトゥーとは百年早いわ プリントにしとけや ケツも青いくせしてこのマセくれ者が。シャレこけたいんだったら彫るんじゃなくて 貼れ。ピタッと貼れ。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-03-16 00:14:55) |
45.岩井俊二監督作品の鑑賞歴はどうやらこれが初だったらしく、先日鑑賞した「新しい靴を買わなくちゃ」 (2012) はプロデューサー扱いであった。ということでよいスタートは切れたらしい。 冒頭部で画面を止めて字幕の設定をいじり直すという失態を犯す。同じナレーションを二度、一度目は英語字幕で、二度目は日本語字幕付きでという細工が挟まれていたのだが、当の自分が本作が公開された頃の自分とは言語聴解力の面で別の人間になってしまったので逆に混乱した次第。ただこのバックグラウンドは「移民」とはいったいどういった意味の言葉なのかという部分を理解するにおいて大きな影響を与えていた。今観るからこその深み、重み。一方で「日本/円」の力が時の流れとともに「中国/元」と入れ替わっているという現実を背景に鑑賞しているのもまた皮肉である。この辺りは先日鑑賞した「LOOPER」にも通じる近未来の世界観だ。 三上博史が自分の記憶以上にいい役者で、渡辺篤郎にいたってはモノマネ先行でようやく本人に出会えた次第。Charaについては数年前にこの街にきていたときの映像を拝ませてもらっていたが、そのカリスマ感が存分に保存されているのが本作だということがよく分かった。 当然その後の伊藤歩の活躍ぶりも気になった次第。 【kei】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-21 11:17:44) |
44.《ネタバレ》 バブルが崩壊して、これまでの価値観が根底から崩壊してしまった世相のなかで撮られたまったく新しいお洒落映画。それまでの頑張ってお金稼いで良いマンションに住んでアフターファイブを楽しむといった価値観を、旧世代にしてしまった豪腕は確かに評価に値する。でも、結局スタイリッシュな映像だけを撮りたかったという印象も否定できないが、今でも一見の価値はある。 【かたゆき】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:04:36) |
43.「あーおもしろかったなー・・・」と鑑賞後に思えた数少ない現代(?)邦画のひとつ。お話的にはともかく、観てかなり経つ今でも印象に残っているシーンはたくさんあります。江口洋介のカッコよさに気づいた作品です。 【460】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-03-12 02:42:42) |
42.《ネタバレ》 岩井俊二監督、映画らしい映画を撮る人ですね。この作品は、テレビの画面では面白さが半減すると思います。江口洋介のリョウ・リャンキは、大笑いするくらいハマリ役でした。 【ramo】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-07-10 00:42:13) |
41.久しぶりに観ると俺の中二病が再発しそうになる。今夜は布団の中で渡部篤郎とか江口洋介になった自分を想像すると思う。完全な雰囲気映画だが、この世界観やっぱかっこいい。 |
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40.無国籍状態を規律しているのが音楽でした。charaは素晴らしいシンガーだなーということを再確認しました。 世界観をつくるためにここまで手のこんだことをするなんて驚きましたが、成功している部分もあり、失敗している部分もあり、という気がします。具体的に言うことは出来ないのですが、せっかく独特の世界観に浸っていたのに、どこかでハッと引き戻されてしまうようなシーンがたまにある気がします。 しかしこの映画の有り余る魅力は二時間半飽きることなく観させてくれました。ストーリーについては長くなるので言及しませんが、岩井俊二の映像ってのはやっぱり独特で好きです。 【Balrog】さん [レーザーディスク(字幕)] 7点(2009-07-09 01:16:26) |
39.《ネタバレ》 世間がどう思おうが知ったこっちゃない、この作品は好きだ!登場人物が全て茫洋とした無国籍人ばかり。見える風景は懐かしくもあり、近未来でもあり。話す言葉が日本語・英語・中国語のチャンポンで、混沌としている。それが、チャラの歌で上手くまとまって見えるんだなあ。感覚的な映画なので、嫌いな人と好きな人が大きく分かれる1本。存在感ある俳優達が無造作に配置され、もったいない位さらっと取り扱われるが、そこが光っている。混沌とした世界に、チャラの歌がイノセント。 【ロボット】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-04-11 14:27:26) |
38.《ネタバレ》 岩井俊二監督の今まで見た映画の中では好きな作品です!凄く独特な空気ですね!中国語・英語・日本語色々出てきますが、日本語以外発音はいいのか悪いのかよくわかりませんけど、役者さんは頑張って演じていたと思います。CHARAの歌もアクセントになってなかなか良かったです!内容は闇社会というか退廃的なところはよく出てますが、話のまとまりがイマイチで最後は何が言いたかったのか・・・グリコとアゲハのほのぼのしたシーンが好きでした(*^_^*) 【うさぎ大福】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-08 22:08:08) |
【あるまーぬ】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-07-28 08:42:30) |
36.《ネタバレ》 サントラはリアルタイムで良く聞いていたんですけど、映画の方は初めて観ました。しかし凄い作品ですね。無国籍映画というか、われわれの持つ「移民」「アジア」「スラム」等々のイメージを映像化するとこうなる、という印象ですね(これ、中国人が見たら怒ると思います。抗議とか来なかったんですかね?)。正直言って、わけわかんないストーリーなんですけど、得体のしれないパワーと小林武史の音楽に圧倒されてしまった感じですね。 しかしまあ、中国が凄い勢いで経済成長を遂げている今では、利潤を得るために日本企業が中国に多数進出していたりして、どっちが「円盗」(「元盗」?)だかわからないですね・・・・・。 【TM】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-07-07 17:35:48) |
35.実はR指定受けてるこの映画。理由は「子供が偽札を使って両替えをするシーンが不適切」だそうです。あまりにもくだらない理由に日本映画界の愚かさを見た気がする。表現という手法を映画に代えただけで、それが何かからの制約を受けることこそ不適切。ただし、映画の内容に関しては、あれだけの豪華キャストにも関わらず皆薄い。長過ぎてだるい部分がありすぎる。でもそこは演出の素晴らしさ・アートにあふれる映像美がまた魅力的であります。 【_】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-01 20:49:12) |
34.詰め込みすぎててもったいない。独特な世界感は好きだけど。Charaの使い方は僕は完全に失敗していると思う。 【太郎】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-22 23:41:18) |
33.ちょっと詰め込み過ぎな印象を受けました。存在感はあるけど、何で存在しているのかが良く分からない役もちらほら。全体の雰囲気は本当に素敵です。 【kokayu】さん 7点(2005-01-27 19:46:48) |
32.やたら豪華キャスト!洋画の「トゥルーロマンス」みたいだった。独特の世界観にどっぷり浸りました。もうびしょ濡れ。ラストシーンとか好きやね、金が空に舞うところ。あそこでイエンタウンてものが分かった気がした。世の中金じゃないんやね!あとチャラの唄が良かった。そこでもびしょ濡れ。 【神風】さん 7点(2004-08-24 17:57:07) |
31.映画とは不思議なメディアだと思う。明らかに映画とはフィクションであるはずなのに、そのフィクションを「リアリティがない」と叩かれる。あまりに話が込み入ると「そんなことありえないよな」ということになるし、単純だと「ありふれてる」ということになる。そんな中で、岩井俊二という人は、奇妙な形で綱渡りを続けていると思う。「リリィ・シュシュ」にしても、「アンドゥー」にしても、この映画にしても、明らかなフィクションとしてストーリーはある。序盤はあくまでありふれたシーンの積み重ねであるが、その中に「何かあるぞ。」というタネがたくさん蒔かれている。そのタネはある時一気に発芽して、物語をドラスティックに変えてゆく。様々なストーリーが絡み合いつつ成長し、ある時は予想もつかない方向に枝を伸ばしながら、上へ上へと観客を持ち上げてゆく。そして、非常に唐突な形で成長は止まり、枯れてしまう。このフィクションへ観客を引き込み、没頭させる能力において岩井俊二は非常に優れていると思う。 【fero】さん 7点(2004-07-25 00:01:54) |