4.《ネタバレ》 『十階のモスキート』『コミック雑誌なんかいらない!』に匹敵する、“ヤバイ”内田裕也の観られる貴重な邦画。
1980年代の邦画ならではのチープさがたまらない。
クロロホルムで眠らせて、連日レイプ。
これが本作の主題だが、それを延々と見せる後半は、むしろマンネリを感じた。
それより良かったのが前半部分。
内田裕也は、しがない駅員で、“カチカチカチ”と鋏を鳴らしながら毎日改札で切符を切る退屈な毎日。
家に帰れば、肥えた醜い嫁さんが待っている。
だけど、その鬱積したものが突如爆発し、暴言を吐いたりして、意外に暴れん坊な内田裕也。
この退廃した日常にやられ、狂気を孕み、危うい雰囲気をプンプンさせる目つきの悪い内田裕也が、コミカルでいてとてもカッコよい。
エロ目的で観るのが本来だろうけど、エロとは直接関係のない、この前半部分に、本作ならではの魅力、そして内田裕也ならではの魅力を感じた。