2.《ネタバレ》 公開当時、観たいなあと思っていたんですが、劇場に足を運ぶまではなあと躊躇していて観てなかったんです。TVKはこういうのをやってくれるので嬉しいですね。ビリケンという存在自体は、かなり100年近く前から実際に有って、それをどのようにアレンジするのかが見ものだったわけですが、杉本哲太の生き神様がなかなかいい味を出してました。大阪という、私から観たらまったく知らない文化社会を描いているのもおもしろく、こういうローカル色が前面に出た作品も楽しいものです。地域活性化の話がメインに出ているのですが、日本人の宗教観や、ハヤリモノ好きの風潮に対する皮肉もさりげなく描かれています。通天閣という地域がクローズアップされていますが、あれは建物自体が象徴的な存在であって、それを通して日本の大阪が描かれた作品だと感じました。とくに楽しかったのは、中盤の神様が願い事を実現する過程ですね。全部「手作業」というのは笑えました。愛人を満足させる話とか、疣痔とかね(笑)。ただ、せっかく神様の時代認識のギャップを最初に示したんだから、それをもっと引っ張ったギャグを観たかった気もします。そこがちょっと残念だな。ところで、唐突に出てくる原田芳雄のヨッパライオヤジは好かったね。声からそうだなと思っていたけど、エンディングクレジットでもしっかりと最後の方に出てきたしね。それから山口智子は、やっぱり可愛いなあ。ああいう感じの女性、大好きです。ちなみにどうでもいいことなんですが、初代の通天閣(凱旋門の上にエッフェル塔が載った形)を観てみたかったなあと思いました。