2.《ネタバレ》 フランス人って、雨が降っても滅多に傘を差さない国民っていうのは知ってました。降っても霧雨で、濡れてもすぐ乾くから?というのが理由とかなんとか。さてさてこの映画は、全編を通じて霧雨どころか土砂降りに近いような雨模様。それでも主人公たるJ・フィリップ氏は傘を一切差さない。意地?でも全身濡れそぼりながら、小さな浜辺や納屋やらホテルの周辺をひたすら歩き回る。「傘を差す」という行為は男子たる沽券か美学に係わると思っての事なのか、どうなのか。我がニッポン国でも「男の日傘」がこの夏からぐっとポピュラーになった現在、おフランスの傘事情にも、この時代から多少変化はあったんでしょうか?鑑賞中、映画の胆である主人公の過去についての謎ミステリー要素そっちのけで、「フランス人と雨傘」に関することばかり考えておりました。レビュー数1500本弱にして、ジェラール・フィリップ主演映画、初めての鑑賞。思ってたよりもずっと痩身繊細な役者さんでした。「女を抱く」より「女に抱かれる」方がキャラクター的に似合う印象。そういう意味では、同時期にアメリカで活躍したモンゴメリー・クリフトにも通じるような。