12.《ネタバレ》 広大な風景と軽やかな澄んだ音楽と、元気に駆ける子供たちを見ると日頃のストレスがぶっ飛ぶ。
ただそういう癒し系映画ではないらしい。
ふとしたことで少年はある秘密を発見してしまう。
それは大人たちの秘密だ。
その謎を少年の視点で追っているところが良い。
子供の目線からみた大人の社会とか世間ってだいたいこんな感じだろうなっていうのが伝わる。
大人たちの事情があまり語られないのがまたミステリーな感じで良い。
素晴らしい自然の描写はその土地の気候を見事に描く。
ほんのり感じる幼女のエロスと濃厚な熟女の色気はなんだろう。
主人公は美少年であり、その少年からも色気を感じる一瞬がある。
ときに気候はその土地の人間を色っぽく見せる。
少年が穴の中にあるものを発見する場面がめちゃくちゃ怖かった。心臓が止まると思った。
この他にも緊迫感が張り詰める場面がいくつかあるのでドキドキした。
ただその緊迫の場面もごく自然にやってしまうのは監督スタッフの腕前なんだと思う。
少年は秘密の場所で天使と出会う。その不思議さが印象的。
天使が布にくるまって水を飲むシーンが映像としてなにか美しい。
子供の視点で描かれる物語の中で、
少年ふたりが大人たちに隠れた場所で秘密をもつというのはなにか性的な感じもした。
この映画はアルバトロスの予告で知ってスタンドバイミーと比較されてた記憶があります。
スタンドバイミーはまるで自分が少年の真ん中にいるような感じだったと思いますが、
この映画は少年たちをもっと遠くから見ているような感じがした。
子供の視点で描かれているのに遠い。この遠さは悪いのではなく、それが儚い記憶のようでなんとも良い。
「ぼくは怖くない」というタイトルの意味が分かってきたとき、
友情と勇気が素晴らしいものだと思った。
(2012年の感想)