6.《ネタバレ》 育児の日常を綴りつつ、笑いありホロリとさせるところあり。ともすれば冗長に流れがちですが、飽きずに見ることができました。団地住まいの若夫婦に船越英二・山本富士子という、美男美女コンビをキャスティングしたのが面白い。渡辺美佐子が新生児に湯を使うあたりは、育児書原作の面目躍如たるところでしょう。後半おばあちゃんと同居するようになってややトーンが変わりますが、このおばあちゃんの使い方もうまいですね。浦辺粂子さんさすがの好演。太郎君のモノローグがもっと出てくるのかと思ったら、案外少なかったのですが、主役はやはりお父さんお母さんなので、この程度でよかったでしょうか。ほのぼのしつつ、現実的な問題もきちんと取り込んだ、バランスのいい好編でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-02 20:09:42) (良:1票) |
5.2011.10/7鑑賞。同年のキネマ旬報ベストテン日本映画1位らしいが、私が20歳の時の作品。まだ団地に住んでいたので生活実感が懐かしい。 この10年後に同じような家庭生活、同じような会話、笑いとちょっとのお涙、ペーソスを味わった。典型的な和服貴婦人イメージ山本富士子が洋服の庶民団地妻役とは・・。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-08 11:38:55) |
4.《ネタバレ》 エッセイ映画というか、育児本をベースにして一本の映画を撮る試み。普通の監督ならその芯のなさが足かせになるところを、この人は好き放題が出来ると喜んでるみたい。子どもの動きを記録したドキュメンタリー調からアニメまで動員している。小ネタの連鎖でブツブツになりそうなところを、大きく前半の団地時代・後半の姑との同居時代と分けて、まとめている。託児所の不足、はしかへの対応、などの「役立つ情報」も織り込み、しかしちゃんと劇映画としての構えを崩さない。役者では後段の浦辺粂子の姑が傑作で、確信犯的甘やかしのベタベタ感が、嫌味にならずに「お祖母ちゃん一般」の姿になっているのは大したものだ。しっくりしてなかった嫁と姑の女連合が、亭主のしくじりで共同して攻撃してくるあたりがおかしい。昔の映画は時代の映像記録としても楽しめるが、それだけでなく時代の傾向の記録にもなっていて、本作で団地から親の家に移る展開は、おそらく当時の傾向を反映していたのだろう。子どもの成長とともに家族は一軒家に移り、団地はいつも若夫婦が入れ替わって回転していく、ってのが団地発足当時の計算だった。しかし大都市部の住環境はそれほど甘くなく、団地で高齢化が進む未来が待っているとは、このころはまだ誰も考えてもいなかったわけだ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-08 10:11:26) |
3.赤ちゃんが主役という事で、さぁ泣くぞ!と意気込んで見始めましたが、笑いと泣かせどっちつかずの印象を受けました。全体の構成は子を持つ家庭の多くが経験するであろうエピソードを繋げただけなので、話に落ち着きがなくダイジェストを見ている感覚。ですがこれが本当の姿なのかなと思ったりもします。歩いたり言葉を覚えたり、その成長に感動もすれば、泣きやまなかったり振り回されたり病気したり。この映画の様に落ち着く暇もないのがきっと子育てでしょうから。そういう意味では子育てを一通り経験した人が見ると感慨深いものがあるのではないでしょうか。自分はまだ子供がいないので、まず子供が出来て成長し、ある程度落ち着いたら再度この映画を手に取ろうと思います。 【オニール大佐】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-03-01 16:29:02) |
2.当時の一般家庭の雰囲気、家庭的な雰囲気が出ていて、とてもよい。 最後まで飽きずに楽しむことができた。 しかしながら、子供は苦手だし、山本富士子のようなやかましいタイプの女性が苦手なので、観ている時、多少イライラもしたが。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-23 20:17:34) |
1.劇中山本富士子が、飄々のほほんダンナの船越英二に向かって「あなたはエゴイスト」って言い放つシーンがあるんです。私はそれを聞きながら、この台詞はもしや監督夫人脚本家和田夏十が、実はダンナの市川監督に向けて言いたかった、強烈なアッパーカット的一言じゃないのかと深読みしてしまいました。というのも以前、女優有馬稲子著自伝「バラと痛恨の日々」を読んでいて、その中にこれは市川監督のことを書いたとしか思えない、エピソードの数々が記されているのを読んでいた為。もちろん人間にはいろいろな面があるのは当然で、読後も私の市川監督の映画監督としての評価はいささかも揺るぎはしないのですが。もし仮にそうだったとしたら和田夏十という女性恐るべし!・・・まあ、興味がある方はお読みください。さて映画ですが、岸田今日子やら渡辺美佐子やら曲者をほんのちょい役で使っていても、彼女たちの個性をひらめかせる巧みな演出が光ってましたね。赤ちゃんがビニールを被る事故後の、船越英二が二人がかりで責められるシーンが最高です。韓国映画のようにバタバタと無意味に人を死なせなくても、浦辺粂子おばあちゃんに不意に訪れた突然の死、これたったひとつだけでも充分に尊い「生」の意味は伝わってきましたね。これがこの年のキネマ旬報ベストワンという評価はちと高いかなあとは思うけど、観ていて気持ちの良い佳作に仕上がっていると思います。物心ついた頃、目覚めた時に山本富士子みたいな美人のお母さんが目の前にいたら、その後の私の女性観は大いに変わっっていたかも(笑) 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-18 18:56:34) (良:2票) |