2.《ネタバレ》 ハンナの告白があるまでは、なぜか重苦しい空気だけがあって、その理由が全くわからない。ハンナの告白で、初めてそれまでの重苦しい空気の意味がわかってくる。このあたり、もう少し前半でにおわせておいてくれたら良かったのにと思います。重いテーマを扱って、作品の雰囲気もそれにピッタリなので、もう少しストーリー展開の技術的な面を工夫してもらいたかったです。その一方で、ハンナの告白内容は、すさまじいバイオレンスなのですが、それを映像を見せないでハンナの口から語られる言葉のみで十分説得力があるように表現できているのは、それまでの空気の作り方がうまいからかなあと逆のことも感じてしまいます。このあたり、わたしもどっちか迷ってしまっています。ただ、二人が再開した後の展開は説明無く急だと思います。映画っていうのは作るの難しいですね。テーマは、日本人としてはわかりにくいので、クロアチア紛争を学んでからもう一度見直したい作品です。佳作といっていいと思います。