1.《ネタバレ》 日の当たらない名作の名にふさわしい良い映画だった。先祖代々の家屋敷を売り払い、私財をなげうって建てられた「しいのみ学園」その設立はどれほど大変なものだったろう。しかし映画はその大変さはおくびにも出さず、至ってシンプルに作為なく淡々と描かれている。つたない演技は子どもが中心だから仕方ないものの、それが却って素朴な味わいを感じさせるほどだ。
「科学に限界があっても、愛情に限界はない」という言葉が胸を打つし、「ぼくらはしいのみ・・・」と歌う歌も印象深い。私の子どもの頃はポリオの予防接種などなく、小児麻痺になる子どもも決して珍しくなかった。