11.《ネタバレ》 似たような映画が結構ありますから、オチは最初のほうでわかっちゃいます。
トムは最初出てきたときはクレイジーでダーティーな役かと思ったのですが、意外とまともでした。実は良いやつ。うーん、もっと悪い人間でも良かったかもしれないですね。『毒を以って毒を制す。』みたいな。
フォレスト・ウィテカーをはじめとして、同僚がみんな悪人顔で善良な刑事には見えません(笑)。もっと善良そうな同僚、気のいい仲間たちってのが伝わるようなキャスティングと演出であれば、最後の裏切りは読めなかったろうし、衝撃的だったかもしれないです。この人たちの悪人顔ったら・・良いやつなわけないじゃんね。
なのでミステリーとしてはいまいちなわけですが、刑事サスペンスものとしては好きなテイストです。しかも途中からバディものみたいになりますし。ディスカントが死んじゃうのは予想外。案内役の小太りギャングも殺されるとは思わず。
エンターテイメントアクション特有のノリ。軽めの爽快感。その一方でやたらシリアスでハードボイルドな苦味。この相反する二つのファクターがうまいこと絡み合っていない感じがするんですよね。ですから、意外性よりも違和感を感じてしまいます。
ですが私はこーゆー映画が好き。『悪い奴は全員死』。これだけでもすっきりします。ワンダーの悪事だってすべて明るみに出ちゃう。もちろん彼と同僚たちは警察内部のガンの一つにすぎませんが、少なくとも一つはなくなったわけです。これが大事。そして私はキアヌが好き。これも大事。よってこの作品は充分楽しめたのであります。以上。