10.《ネタバレ》 戦国時代をあつかった作品は数知れず、そこに石川五右衛門というキャラクターを加え、
いままでと違った切り口を見せてくれたのは、おもしろかった。
また今作でもCGをCGのあるがまま独特の世界観を作ったのは凄いと思いました。
日本ならではの歴史ファンタジーとでもいいましょうか。
もともと織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の生き様もドラマチックであり、
それを上手く活かした話だったと思います。
また登場人物をしぼりアレンジを加えたのは正解だったと思ってます。
個人的には貧民街で霧隠才蔵が五右衛門の背後にあらわれたシーンでぞくぞくしました。
船上での攻防も緊張感があり良かったです。
ただ釜茹でのシーンのあたりから、少し緊張感が持続できなくなってきました。
船のあたりでもかなり盛り上がってましたが、その後釜茹で、秀吉との対決、関が原と、
これでもかこれでもかと見せ付けられ、途中でお腹いっぱいになってしまいました。
あとは五右衛門の動機がわかりにくかったのが残念です。
小平太には死者は復讐(人殺し)を望んでいないといいつつ、
己自身はそこに足を踏み入れようとする矛盾。
最初は人を殺すことを良しとしない男が人を斬って成し遂げようとした目的はどこにあるのか?
なぜ三成を斬り、家康を生かせば太平の世が来るかもしれないと考えたのか?
結局五右衛門の意思は歴史という力に塗りつぶされてしまったのではないかな、
という意地の悪い見方をしてしまいます。
そして、佐助…。ラストは意外性を通り越してしまいました。
それまでの二人の関係を考えれば何かしら声を交わしても良かっただろうに…。
茶々=広末涼子は可愛かったです。