12.《ネタバレ》 私に取ってはスルメの様な映画。噛めば噛むほど味が出る。
言い方を変えると1回観ただけでは本作の良さは判らない。
以下、本筋から反れるが本作に関するエピソードを一つ。
本作公開から半年程前、出張中の新幹線で私は陽気なアメリカ人のカップルと相席になった。
彼ら曰く「今僕達は"Watchmen"と言う映画を作っているんだ!」との事。
拙い英会話で映画の内容に付いて質問してみたら、公開前だと言うのに内容に付いてとにかく喋りまくり、
おまけにiphoneで撮影したスタジオの写真まで見せてくれた。
「公開前なのにそんな事まで話して大丈夫なの?」と聞くと、「ホントは駄目だけど、とにかく監督が凄い人で
一緒に仕事をしていて楽しくて楽しくて。
誰かにそれを話したくて仕方がないんだ!!」と目を輝かせて嬉しそうに話をしてくれた。
そんな彼らの様子を思い出し期待度極大で鑑賞した本作。
明るい彼らの様子と120%対照的な、暗く・内省的なヒーロー達が登場する内容とのギャップが大きすぎ、
一回目は唖然としてしまった。
でも、彼らのへの思いも有り、2回目・3回目と鑑賞回数が増えるにつれて面白みが増して行く。
監督・スタッフの作品に向ける情熱・思い入れ度と興行収入は残念ながら反する傾向にあるけれど、
いわゆる「カルトムービー」に昇華していく作品達は、どれも彼らの様な製作者達の熱い思い入れがこめられているのかも・・・
と思った次第。
あのカップル、今も元気だろうか?