2.連合軍のノルマンディー上陸をめぐる、歴史の教科書には出てこない現代史の裏側を描いた力作。街中の至る所にドイツ兵が配備されたナチス占領下のパリの緊張感ある描写に、最後まで緊張感が途切れることなく敵との攻防が描かれるテンポの良い展開も見事です。
ただ、既にレビューされている方が触れられていますが、ナチス側の重要登場人物であるハインドリッヒ大佐が非常にソフトな印象になってしまっている点があまりにも惜しいところです。
本作はフランス製作ですが、対独の実話をベースにしたヨーロッパ映画には独特の重さや凄みがあります。どうしてもやるせない犠牲を伴うことになるので、本作もそうなのですが話は非常に重いです。主演ソフィー・マルソーの熱演が光りますが、ソフィーにマリー・ジランらのお姿が久しぶりに見られたことも嬉しい作品でした。