2.《ネタバレ》 映像的な面で、非常に個性を感じた。
ただ、個性があることと、映像センスがあることとは別。
本作の映像センスが優れているか、私には何とも判別し難いものがあった。
あらゆる映像表現に挑戦し、更には、香港とブラジルの要素も入り混じっており、映像面において、見所が多い。
ただ、少しファンタジックな映像を格闘シーンなどで使ったのはどうだろうか。
チャレンジマインドは感じられたが、浮いた感は否めないだろう。
アジア特有の美しさも随所に感じられる。
特に、オチョを演じたホァン・イーが美しかった。
又、闇社会のボスとして成り上がったアンソニー・ウォンの凋落、そして死に至るまでの顛末。
人間ドラマとして楽しめる。
オダギリジョーの、ボスとの絆の深さもよく描かれており、映像面だけではない、人間と人間との精神面でのつながりをも描いているのは評価に値する。
敢えて苦言を呈すれば、中国・香港・ブラジル・日本の4か国が製作に参画したことにより、映画全体が悪い意味で混沌とし、バラバラした感を否めないのが惜しい。
その点が、観る人によっては、わけの分けらなさにつながるやもしれない。