1.《ネタバレ》 ハワード・ホークスの撮った西部(というか北西部)開拓物語。この映画を観ての感想は、「いやー、アメリカって広い国だわ」というところでしょうか。インディアンと毛皮取引をするためにミズーリ川を3,000キロも船で遡ってゆくのがお話しですので、西部劇でお馴染みの乾燥した土地ではなく、うっそうとした森と川の風景が堪能できます。登場人物が大きく分けて英語を喋るアメリカ人、フランス語を日常使っているフランス系アメリカ人(ケイジャンと呼ばれる)、そしてインディアンとなりますのでこの三者の言語ギャップがなかなか面白い。アーサー・ハニカットがフランス語で喋る船長に、「英語を使え!」と怒鳴るシーンが10回近くあった様な気がします。 なんせ大河を上流に向かって進むのですからそりゃ大変で、船員がロープで船を引っ張って進む有様です。ホークスは雄大な自然を背景にしてまだ素朴だったアメリカ人たちとインディアンとの交流をゆったりした詩情で映像化していて、そこはかとないユーモラスな雰囲気があってなかなか良いですよ。カーク・ダグラスもいつもと違ってギラギラしてなく、ちょっとのんびりした田舎者のキャラを好演しています。ダグラスが指を怪我して切断されるシーンは傑作です。