1. 普通は続編はおもしろくないものだが、これは違う。▼ ぶちのないダルメシアンの子犬と飛べないオームの大活躍、女性保護観察官と捨て犬ホームの男との恋、グレン・グロースにジェラール・デパルデューを加えた豪華キャスト、パリのロケ、一糸乱れぬ犬たちの名演技、グレン・グロースが罰として巨大なケーキにされる趣向などが、ダルメシアンの毛皮でコートを作るという「101」の単純なストーリーの上に加わって、「101」よりはるかに面白く、大人も楽しめる内容になっている。最後にぶちなしの子犬にぶちが出てくる落ちまでついてかなりの出来だ。▼ ところで、最初のシーンで鉄格子の扉に書かれたBehavior control unitの和訳が「行動制御課」と直訳されているのは笑った。このcontrolは矯正のことだろう。▼ また、グレン・グロースの吹き替えに山田邦子が使われていることに不満が残った。他は皆声優の張りのあるいい声なのに、グレン・グロースだけは普通の声なのだ。素晴らしい声優は五万といるのに、知名度に頼って素人を吹き替えに使って映画をだめにするのは、日本の映画会社の悪い癖である。