1.《ネタバレ》 ソダーバーグ監督って、興行的にも成功してる大作から、ほんと趣味で撮った様な小規模な作品まで色々ですよねぇ。良く言えば『マルチな才能』、悪く言えば『何考えてんのか分からない』。ですけどね、これ見て思ったワケですよ。「あぁ、この人やっぱり映画撮るの上手くて才能あるんだなぁ・・・。」と。ぶっちゃけ女版ボーンか007なんですけど、中身は『ソダーバーグ撮りました』印の映画。一つ前の『コンテイジョン』の様な線の細さと、薄ーい演出、何気ないシーンの連続なのにその一つ一つのカットが繊細かつ自然。ドラマパートはしっかり固定カメラでじっくり撮って、動き出すとこの人独特の映像センスと音楽に乗せてテンポ良く流れ始める。秒単位のカットを台詞無しでリズム良くつなぎ合わせる小気味良さ、寄って引いて上から下から、傾けたアングル等、何も勢い任せに細かいカットをつながなくたって臨場感は出せるんだよ、と。何かイイなぁ、この人余裕で好きな事してるんだ、っていう気がしてならなくなる。実際上手い。今回も贅沢に俳優を使ってますが、みんな何気に映画初出演の女子格闘家ジーナ・カラーノを上手く引き立ててあげてます。中でもマイケル・ファスベンダーとの一騎打ちは、力の入る格好いいシーンに仕上がってます。(この人も『X-MEN』や『プロメテウス』で急上昇中ですよね、演技上手いし)ラストのしめ方も粋な演出でこの監督らしい!ファーストラウンドのコーヒーぶっかけでぼくならノックアウトだが、マロリーの延髄斬りでノックアウトなら本望でしょう。 うん、やっぱりソダーバーグ監督はいいな。