1.《ネタバレ》 ロジャー・コーマン門下生の中で、社会派NO.1と言えるジョン・セイルズの監督デビュー作です。10年ぶりに故郷の町に集まる七人の男女たちの週末2日間を描いており、インディーズらしく無名の俳優ばかりだけど、マギー・レンジとゴードン・クラップ、そしてデヴィッド・ストラザーンといったジョン・セイルズ作品の常連となる顔ぶれもすでに登場しています。実はこの映画は、ローレンス・カスダンの『再会の時』などいわゆる“リ・ユニオン”ジャンルの先駆けとなった作品なのです。 ベビー・ブーマー、日本で言うところの団塊の世代が30代になろうとするころが時代背景で、この映画に登場する男女も学生運動で警察の御厄介になった想い出を共有する仲でもあります。この七人がまた元カレ・元カノ同士で(まあ田舎町ですから、若い連中のヤルことはアレと言うわけです)、けっこう複雑な人間関係みたいですが、セイルズの脚本はあまりそのことが気にならない巧緻さがあります。バスケで遊んでいるところや川に男たちがフルチンで飛び込みをするところを延々と撮っていたりして、独特の間があるところは好きです。 特に事件も起こらずに別れてゆく七人ですが、なんか青春が終わった瞬間を見せられた様な余韻がありました。