1.《ネタバレ》 1978年の「帰郷」「ディア・ハンター」あたりがそのはしりかと思っていたのですが、
まだベトナム戦争が終結していない1972年の段階でベトナム帰還兵を取り上げた、こんな映画が既にあったとは・・・。
同時に除隊しアメリカに帰ってきた4人の戦友がカリフォルニアに行って農場を共同で経営しようと旅に出るロードムービー。
その出だしにはそんな希望もあり、カリフォルニアへ行くために中古車を値切って手に入れるくだりにはほのぼのした空気もある。
しかし途中で立ち寄った町では、朝鮮戦争従軍経験者たちからベトナム帰りであることは馬鹿にされるような描写もあったり、
その旅を通して少しずつアメリカ社会との間に溝を感じ始めていく。そして何とも悲しい結末が。
製作年度を考えると、本作もニューシネマにカテゴライズされる作品であると思いますが、
ベトナム戦争終結後に数多く出現することになるベトナム戦争の戦後を描いた作品の源流に位置する作品と言えるでしょう。
特に動員された州兵と市街戦のようになってしまう終盤の展開には「ランボー」を思い出さずにいられませんでした。