1.カウリスマキ監督作。弟アキの作品は何本も見ているけど、本作はあまり見る機会が無いミカの作品です。
妻子に出て行かれた孤独な音楽家の男。その前に突然、3歳の時に別れて以来35年も音信不通だった父が現れる。
寡黙な息子と、豪快な親父。爆笑することは無い。
でも見る者を微笑ませてくれるような、正反対の性格の2人のちょっと可笑しく、ちょっとホロ苦さがある珍道中がいい。
2人はクルマで北へ、北へと向かう。旅先で出会う、息子にとっては初めて会う家族。
ぎこちなくも程よいあたたかさがある。
1つ1つの出会い、エピソードを重ねていくうちに、
最初はぎこちなかった2人が少しずつ空白の時を埋めていき、
無表情だった息子は気が付けばとてもいい笑顔を見せるようになっていく。
いつしか息子にとっては、父に連れられるまま、
自分が全く知らなかった家族の姿と自分のルーツを探し求める旅になっていました。
ただ、2人の旅を見ながら、親父は旅の最後にこういうことになるんじゃないかな?という嫌な予感はあったのですが・・・。
この結末だけが少し残念ですが、僕が好きなロードムービーの良さが随所に感じられる作品でした。