1.《ネタバレ》 大作『ジュラシックワールド』を観た後だと物足りなく感じるかもしれないSFアクションコメディ。
主人公はさえないバツイチの電気屋、ヒロインはバツイチ子持ちの科学者、その仲間は支持率の低い大統領、誇大妄想癖の童貞デブ、小人症の犯罪者など、ほぼ全員人生の負け犬中年と言うキャラ設定は狙い過ぎでいい。
もちろん、ニューヨークの街中狭しと人生の負け犬ゲーマーたちがノリノリであの手この手でエイリアンのレトロゲーム型兵器(『パックマン』『ギャラガ』『ドンキーコング』など)と戦うVFXは見応えありでお子様たちでも充分楽しめることうけあい。おまけにハッピーエンドな恋愛ドラマまである。
気になったのは主人公たちがエイリアンから勝利のトロフィ代わりに与えられたゲームキャラ、Qバートを敵の情報を引き出せるかもしれないと仲間に入れておいて、後あとになるまで質問すらしないこと。なんだそりゃ? 人類の命運がかかっているんだぞ?
とにかく痛い中年キャラ、レトロでマニアックな題材、ご都合主義なストーリーなどは引く観客も多いかもしれない。個人的にはギャグ連発で面白かったけど、強くは薦めない。予告編を観て興味を持ったなら劇場に足を運んでみるのもいいかと。
吹替え版は、アダム・サンドラーの柳沢慎吾は決してうまいとは言えないけどそれなりにあっていた。十八番の「あばよ!」もある。でもこれがアダム・サンドラーの定番声優、松本保典だったらもっと面白くなっただろう。
セリーナ・ウィリアムズ役の渡辺直美は「え、たったこれだけ?」と言うくらい出番が少ないので誰があてていたかわからないレベル。
しかし周囲をベテラン声優たちががっちり固めているので安定した吹替え版となっている。
なお小人症の犯罪者役の神谷明は「お前はもう死んでいる」「あたたたたたたー!」など、これまたおなじみのセリフを聴かせてくれる。