4.戦争映画ではありますが、ソビエトの伝説的な女性狙撃手の伝記モノとしてしっかりと作られている作品です。
冒頭、ルーズベルト大統領夫人に「これまでに何人の人を殺したのか」と問いかけられた際の
「人ではない。ファシストです。殺したのは309人です。」と言い放つ冷たい表情が印象的。
しかしその後は彼女が育った家庭環境、彼女の周囲にいた男とのロマンス、女心、戦場での過酷な体験とそれが彼女の精神に与えた影響など、
大統領夫人との交流を絡めながら、様々な角度からこの伝説的女性スナイパーが描かれています。
スコープを通して狙撃のターゲットに命中し、倒れ、死んでいく様子を克明に捉えていく。
こういうテーマのロシア映画らしい重苦しい空気が常に漂っている作品ではありますが、
戦争映画としては、戦場シーンの数々にはかなりの気合が感じられます。