7.《ネタバレ》 都市伝説になぞらえての殺人ゲーム。ポップでシュールで猟奇的。殺しの手口が多岐にわたることや、いつ誰が狙われるかわからないドキドキ感は、スラッシャーものとしては及第点。それでいて、本当に残虐なシーンは巧みなカメラワークで映していないので、グロイ描写が苦手な人でも安心してスリルだけを味わうことができそうです。
また、同室のトッシュが明かりを点けたことを怒る前フリや、警備の女性がテレビの刑事アクションに憧れている前フリなど、芸の細かい伏線の張り方は結構好き。B級エンターテイメントホラーながら、ディテールまで丁寧に意識してあるのが良いですね。
惜しむらくは、せっかく都市伝説になぞらえていたのに、中盤以降は都市伝説が味付け程度に成り下がってしまったことでしょうか。もったいないですよね。せっかくだから、都市伝説を謎解きのヒントに使う演出があればもっと面白くなったかもしれないのに。
まあ、今回の一番の問題は、同じコートが流行りすぎていることでしょう。犯人に、ウェクスラー教授に、用務員に、ブレンダの友人まで、何故かみんな同じコートを持っています。それが、被害を大きくしてしまった一番の原因です(笑)
スクリームと比較されがちな今作ですが、大きな違いは犯人に明確な動機があることでしょう。明確な動機があれば、犯人に『人間』を感じてしまいます。その瞬間、犯人は『得体の知れないモンスター』から、『同じ人間』になっちゃいます。動機があるっていうのは正しいことなんですが、サスペンスやホラーは意外と動機がないほうが面白かったりします。そこがスクリームと本作との大きな違いじゃないかな。