5.《ネタバレ》 酒を飲むという行為は一体、人間をどれだけおかしくすることか!この映画のジャック・レモンとリー・レミックの二人を見ているだけでも怖い。酒の恐ろしさ、それをこのモノクロの映像が余計にそう思わせるだけの凄みがある。アルコール中毒に溺れている夫を愛するが故に自分も同じく酒を飲み、アルコール中毒となる妻の苦悩、愛すれば愛するほどにどんどんおかしくなっていく妻の女としての苦しみは男よりも女の方がよく解るであろう!愛する夫の為に自らもアルコール中毒患者となってしまうというのは何とも皮肉であり、惨酷である。夫の方は何とか立ち直ろうとしても妻はそれが出来なくて、愛する夫と同じく愛する娘を置いて去っていく。これもまた何とも悲しくてやりきれない。妻が消えて行くのを部屋の窓から見つめるジャック・レモンの表情には自分が何も出来なかった。妻を助けられなかった男のだらしなさを象徴しているようである。それにしてもビニールハウスの中で酒を探して暴れまくるジャック・レモンの凄い演技は演技というよりも本物のアルコール中毒患者のようで凄く怖かった。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-28 21:08:17) |
【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-01 18:17:23) |
3.《ネタバレ》 「酒とバラの日々」というのは、つまり「地獄と天国の日々」。酒をかっくらえば簡単に天国へ昇れ、切れれば途端に地獄へ真っ逆さま。しかし実際の二人はずっと地獄に堕ちたままで、束の間、天国の夢を見てるだけ。ラスト、夫は何とか地獄から這い出したものの、自分の直ぐ足元には、まだ暗く深い穴が大きく口を開けている。地獄から抜け出せない妻の登場こそ、その穴の底から聞こえる悪魔の囁き。「悪魔に耳を貸すな」というのは悪魔祓いの鉄則。彼に選択の余地は無かったのです。一番の見所はもちろんジャック・レモンと、特にリー・レミックの演技に尽きますが、「一般人」が「普通に」アルコール中毒になっていく様を、説得力を持ったディティールで描いた脚本・演出も素晴らしかったです、7点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-22 00:02:41) |
2.《ネタバレ》 いやぁ、胸が痛くなりますね。チョコレートに目がない可愛い女の子が、愛する男性に合わせてお酒を飲むうちに、夫婦そろってアル中になる……。はじめは、妻が夫の要求で、愛しているからこそ酒に手を伸ばすのに、今度は立ち直った(立ち直ろうとしている)夫が、妻から離れたくないがために、再び酒に手を伸ばす。もう、なんでこうなっちゃうの?と、とても切ない思いで映画を観ていました。娘がアル中になってしまった、お父さんの悲しみ、母親から放っておかれる娘の寂しさが、とても痛いんです(涙)。ダメダメ人間の夫婦でしたが、お互いを愛する気持ちはホンモノなのに、どこかが掛け違っちゃったんでしょうね。ただ、ラストのジャック・レモン! 優しいのもほどほどにしろよ!と言いたい。お酒を止められない、止めたくないという妻を、どうして無理矢理にでも引き留めなかったの? きっと妻は引き留めてもらいたくて、会いにきたはずなのに。いまさらどんな面で娘に会えばいいかわからない彼女の自主性に任せるなんて、もうちょっと後押ししてあげてもいいじゃないか。立ち去る妻に「キミに部屋はいつも用意しているよ」と言うだけじゃあ、彼女は戻れないのです。もっと力ずくで引っ張り上げてもらいたいときもあることをわかってもらいたいなぁ。 【元みかん】さん 7点(2004-03-21 14:53:35) |
1.私も下戸です(日本人の一割は下戸とのこと)が、モノに依存してしまう心の弱さは理解できるし、誰にでも起こりうることだと思うし、恐かったです。 【mic550】さん 7点(2002-10-20 21:56:59) |