1.《ネタバレ》 シリーズ3作品、ずっとイップマンを支え続けてきた奥さんが亡くなる、シリーズ中最も悲しい作品。
奥さんの看病をするイップマン。奥さんとダンスするイップマン。イップマンが奥さんとの思い出を振り返るクライマックスは、涙ナシでは見られません。
そしてアクション。3作品中最も豪華かもしれませんね。
お約束の、多対一の大乱闘あり。謎のタイ戦士とのバトルあり。マイク・タイソンとのバトルあり。更には、あのマックス・チャン演じるもう一人の詠春拳チョンとのバトルあり。見所盛り沢山。鑑賞中飽きるということはまず無いでしょう。
ストーリーも、すっきりしていてわかりやすい。
敵味方もはっきり分かれています。
ただ、前2作で描かれていた『抑圧された怒りの解放』からくるカタルシス、これは正直弱いです。
地上げ屋が小学校に乗り込んだり、火ぃつけたり。この辺は悪役全開でよかったのです。でも敵の準リーダー格の人間が、単なるチンピラ。大ボスのマイク・タイソンも、意外にクリーンファイトで決着をつけちゃいます。よって、イップマンが問答無用の鉄拳制裁って感じにはならないのですね。暴力、放火、子供の誘拐とやりたい放題やってきた悪行への制裁がなんか軽い。
つまりはアクションへの動機付けやストーリーテリングがきれいすぎて、パンチに欠ける内容になっちゃってます。もっと言うなら、物足りない。
ですので、この作品はイップマンの伝記的意味合いのほうが強いのかもしれませんね。
ちなみに、ブルース・リーのバトルが無かったのが個人的に残念でした。前作同様紹介だけで、本編にはからんでくれないのですね。