3.《ネタバレ》 おフランス映画独特の生々しさと、ホラーの雰囲気がうまいこと融合して、良い意味で大変気持ちが悪い作品に仕上がっております。まあ他にカテゴライズのしようがないのでホラーとなるんでしょうが、ホラーというよりかは『ホラー風味の青春ドラマ』といったほうが良いかもしれません。
特に背筋がゾクゾクしたのは姉の指を食べちゃうシーン。強烈です。もちろんルームメイトが食べられちゃったのも衝撃ではあるんですが、妹初めての人肉食のシーンの生々しさには到底及ばないわけです。
このルームメイトを食べたのが自分ではなく姉だった。軽いサプライズになるんですが、このサプライズは余計。今までアシがつかないように外で食事をしていた姉がなぜ突然妹のルームメイトを食べちゃったのか。あまりに不自然。この数年大学で我慢してきた実績が姉にはあるわけですから、あまりに不自然です。やはりルームメイトを食べちゃう悲劇は妹のほうであるべきでした。
そして物語は父のカミングアウトで幕を閉じます。これは読める展開ですが、わかっていても最後のシーンはこの映画の〆にふさわしいものでした。それにしても今日まで生き延びてきた父親凄いっす。
ただこの大学もなかなか狂気じみていないでしょうか。夜中に新入生をたたき起こして乱痴気騒ぎ。新入生が寝られないようにマットレスを窓から投げ捨てて放置。その所業を学校も放置。新入生の頭に生き物の血をぶっかけて記念撮影。それを学校が放置。むしろそのまま授業を受けるんだからたいしたもんです。そして動物の臓物を強制的に食べさせる。私たち日本人からするとこの大学も大学生もイカれているようにしか見えないので、主人公姉妹の狂気が若干薄まっちゃうのが何とも惜しい。