1.《ネタバレ》 体験や人との出会いを通じて成長する物語は、青春映画定番のフォーマット。本作の場合『詩のボクシング』がモチーフです。文化系競技の場合、“努力の過程”や“優劣の付け方”が体育会系に比べ分かり難く、画的な派手さもない為『感動作』という感じはありませんが、地味ながらも爽やかな余韻を残す物語となっていました。さて、タイトルは『ポエトリーエンジェル』。これは、対戦相手高校「詩のボクシング部」女子チームの愛称であると同時に、主人公が通う市民講座に途中参加した女子高生を指す呼称でもあります。当然タイトルは後者を指すものであり、岡山天音(梅農家の息子)と武田玲奈(無口JK)のダブル主演であることを示唆しています。特に目を惹いたのは武田玲奈の方。美少女の華やかさを封印し、影を持つ女子高生を上手く体現しました。圧巻だったのはやはりクライマックス。必死に言葉を絞りだし、思いを伝えようとする様は感動的であり(あ、前述と矛盾している!でも美少女の涙に男は弱いのだ!!)『詩のボクシング』参戦は彼女の人生にとって大きな転機となったのは間違いありません。一方岡山君の方も、腹を括れた模様。その選択が必ずしも正解だとは個人的には思いませんが、武田玲奈ちゃんと添い遂げる未来がワンチャンでもあるなら賭けてみる価値はあるかと。