4.《ネタバレ》 一言でいうと、旅館にいって懐石料理を一度に全部を出されたような作品で。ある程度の前知識がないと十分に楽しめない作品です。逆に言うと前知識を持ってぜひ見てほしい作品です。
確かに面白いけど、90分ではとても味わいきれず、メインは何だったんだろう?と。納得ができず、アニメ版を見て反芻した所、一つ一つのストーリーのまとめ方が素晴らしいことに気づかされました。
あかね君の為に、おっこが作った温泉プリンを、おばあちゃんの気配りと所作で昇華させるシーンはお見事の一言で、幸水さんの、家族そろって食事ができました。という感想と、あかね君の涙は、女将さんのおばあちゃんの配慮がなければここまではいきません。
お母さんと、温泉プリン、一輪差しが見事に絵になってました。
友達のよりこが夏休み中、いやいやながらも納得して家業を手伝うシーンは、真月も含めて、花の湯温泉街全体が子供も含めて一致団結して頑張って行こうとするする素敵なコミュニティなんだと気づかされます。
木瀬さんのワガママな注文も、
おっこの思いから、ライバルに頭を垂れて教えを請い、冒頭から旅館業について勉強熱心だった真月の伏線がここに活かされきて、それを形にできる康さんの手腕があってこそ。
事故の加害者だと知りながらも、最後は春の屋の若おかみですからと言ってのける下りは、おばあちゃんを追い越さんとするくらいの配慮で、大人になる過程からウリ坊、美陽、鈴鬼も見えなくなってしまうというのも理解できるように感じました。
鯉のぼりのシーンなど合間合間で綺麗な風景を見せますが、あざとくもなく、見ていて綺麗でほっとする印象。全体的にとても上手にまとめられている作品なんだなと感心しました。