2.《ネタバレ》 戦時下という国難の時代でも、制作に意欲を燃やした映画人の奮闘ぶりが胸を打ちます。テーマが国威発揚に限られようが、細かい注文が軍関係部署からもたらされようが、良いもの=Finest を作ろうという気概はこちらの背をもしゃんとさせてくれるほどの勢いがありました。
仕事と家庭のバランスに苦労するヒロインの脚本家の抱える課題は、今日にも通じて現代的でリアルです。
ピークを過ぎた老名優の滋味溢れる存在感はビル・ナイ本人そのもの。
戦争の悲愴感をぎりぎりまで抑制しながら、生きることの喜びも哀しみもとつとつと語りきった、品のある作品です。