2.《ネタバレ》 とにかく美しい映像で安心して見ていられる。手持ちカメラを多用することで大正時代の動乱の世相を巧みに表現している。最後まで引っ張っていく脚本の力もあると思う。役者もみんな頑張って体を使った演技をしている。なんとも残念なのが実話に基づいた作品であるためオチが付いていない。ラストがなんとも肩透かしでカタルシスが得られなかった。3時間20分の長尺で興行成績が心配になるが、令和の我々を大正時代に連れて行くにはこのぐらいの尺で描かないとちゃちなものしかできなかったと思う。見ていて思ったのが、ヒロインの木竜麻生が素晴らしいということ。口先だけのセリフ回しや小手先の顔面小芝居ではなく、役になりきったスケールの大きな演技で一言一言のセリフが心に刺さった。日本映画を背負って立つ逸材だと思う。