10.独特の映画で、物語に起伏も無いが飽きることが無い。もっと観ていてもいいと思わせる。 同じ生き方をしたいとは思わないが、こういった生活を望む人たちもまた普通にいるのかもしれない。感情は出るが感想が難しい作品。 【simple】さん [インターネット(吹替)] 7点(2024-08-13 17:26:07) |
9.この映画を評価する言葉を持っていないんですが、良い映画でした。 フランシス・マクドーマンド素晴らしい女優です。 【東京ロッキー】さん [インターネット(吹替)] 7点(2023-11-17 10:38:53) |
8.《ネタバレ》 なんだろう、この悲しい幸せは? ずっとそんな風に思いながら、観ていた。 ラスト、それが明らかになる。 ノマドをしている人たちは、悲しみや喪失を覚えている人たち。 出会う人、出会う人、別れが来ても「さよなら」は言わない。「また、どこかで」と言って、別れるのだ。 実際、どこかの居留地でまた一緒になることもある。 そうこうすると、死別した人にも出会うかもしれない。 そこが、幸せの味なのだ。 旅をここまで掘り下げた映画も、アリだなと思った。 【トント】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-10 18:48:05) |
7.《ネタバレ》 暗い感じの雰囲気だけど、温かい気持ちになった。夫に先立たれ、失業する。しかし、自暴自棄にならず焦らず力強く生きていく強さを感じた。人生に行き詰ったとき、人に助けられ、一人たちどまり、ぼんやりした時間を過ごすうちに、やがて新しい未来へ変化しようとしていく。● 夫に先立たれた中年の女性が主人公。炭鉱が閉鎖されその城下町のインフラも途絶え、夫もなくなってしまった。街を出ていくことに。住むところもなく車上生活をする。そして各地転々と仕事をすることに。。あるきっかけで放浪者が集まるコミュニティに参加する。そのコミュニティーを通して出会いや心の拠り所を得る。しかし、女性は炭鉱の街と亡き夫が忘れられない。恋人と新しい生活を始められないでいる。コミュニティーの長と話をするうちに頑なな自分の心が解き放たれる。ラストシーン、女性は新しい環境を受け入れていこうとする。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-24 06:12:13) |
6.各地を訪れ、素晴らしい自然を満喫しているファーンの幸せそうな表情。 働く仲間、ノマドで心繋がる人との出会い。 自分の生活に責任を持ち、やり遂げる意志の強さにとても惹かれた。 人に頼り気合いの無い私には、ファーンという人から目が離せない。 この作品観るまではノマドの存在を知らなかった。 私はこういう生き方は出来ないが、ノマドの話しを聞いてみたいと思った。 「みんな違ってみんないい」 こうはハッキリ言いきれないが、自分と違う存在を可哀そうなどと決めつけず、共存出来たら良いな。 しみじみとじわっと深く、自由について考えた。 【たんぽぽ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-06 10:25:19) |
|
5.しんどいね生きていくのは。ドキュメンタリーのような…というかドキュメンタリーも含まれる映画といった感じで終盤のボブ(息子が自殺)の話も実話とのこと。ただしこれは悲しみや喪失感を抱えた人たちがあえて選んだ生き方だから、そこはとても尊重されているし、ことさら政治が悪いと主張することもなかった。もちろん厳しい現実もたくさん見せられたから憧れはしないけど、ノマドのことを知り、考える時間は悪いものじゃなかった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-11-03 16:07:30) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 2020年を代表する作品なのは間違いない。ほぼ全編出づっぱりのフランシス・マクドーマンドは、『ファーゴ』とも『スリービルボード』とも異なる、静かだけれど、人付き合いがよく、でも何かが欠落している人物像を見事に演じきった。ホンモノのノマド生活者のキャストもみな個性的で魅力的だ。クロエ・ジャオ監督は市井の貧しい高齢者たちをとてもチャーミングに、そしてそこにある人間としての芯の強さをしっかりと表現している。そして、素晴らしいアメリカの「ハートランド」の風景。砂漠も荒れ地も山も海岸もどれも本当に美しい。前は年に1度は行っていたアメリカの風景だが、コロナ禍ですっかりご無沙汰になったせいもあって、その見事な映像を見るだけで涙が出そうになる。きっと、コロナ禍で移動がままならないなか、この映画の風景描写に救われたアメリカ人も多かったのではないかな。だからこそのオスカー獲得は見事。地味とかなんとか言われるが、今年この映画が受賞したことには、「アジア系女性初」みたいな意味ではなく、もっともっと大きな意味がある。 ただ同時に、釈然としない思いがあるのも確かだ。それはやっぱりこの映画が描く現代資本主義への切り込みの弱さだ。もちろん、ケン・ローチになる必要はない。ラストの「消えた町」の風景に批判精神がないわけではない。それでも、たとえば、アメリカの医療保険をめぐる問題について少し知識があれば、この高齢者の生活がちょっとした病気や怪我であっというまに成り立たなくなる儚いものであることはすぐにわかる。だから大病後にノマド生活をするスワンキーのエピソードが現実から遊離した「夢物語」であることに、何か大事なことをごまかされているような気持ちになる。ノマドのコミュニティの人種構成も気になる。先住民らしい女性はいるけれど、そうした人種的な重層性を排したところに成立した世界に「フロンティア」を見出す視線も、すんなりと受け入れ難いものがある。寓話であることはわかっている。あえて踏み込まないミニマルな世界観こそがクロエ・ジャオ監督の真骨頂なのかもしれないが、それは、いろんなものの歪みが噴出した2021年に、僕が見たかったものとは少し違っていたようだ。 【ころりさん】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2021-05-06 00:22:56) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 クロエ・ジャオ監督が中国系だからなのか、全体的に東洋的な無常観のような空気が漂っている印象を受けました。 おそらく、ケン・ローチがこの作品のテーマを扱ったなら、弱者を冷淡に切り捨てるアメリカ社会の闇の部分や、大企業の弱者に寄り添う体を装った貧困ビジネスの偽善を徹底的に糾弾するような作品を作っていたと思います。しかし、クロエ・ジャオは、ただ、ノマドたちの姿をリアルに映し出すことにより、まず、「可哀想な弱者の彼らを何とかしなきゃ」というような観客の同情を拒絶します。それにより、アメリカ社会の問題だけでなく、人生いろいろな問題がある中でどう生きるべきかという問題提起にまで観客の心に問いかけてきます。この禅問答のような深みがおそらく西洋人には新鮮で、この作品がオスカーに選ばれた要因なのかなと思います。(ただ、東洋に生まれ育った者としては、そこまで新鮮ではなかったですが) フランシス・マクドーマンドの演技も素晴らしかったです。 【TM】さん [映画館(字幕)] 7点(2021-05-03 21:31:56) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 フランシス・マクドーマンドは「スリー・ビルボード」で見せた様な毒気は封印し、 出演されている実在のノマドの方々と私達観客を繋ぐ仲介役に徹している。 予想外に暖かい目線・視点で作られており、「厳しい現実を突きつけられるのか?」と言う鑑賞前の気構えは不要だった。 観ている我々に「幸せとは何か?」と問う作品であり、今現実に何か問題を抱えている時こそ観るべき作品。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 7点(2021-04-06 12:55:13) |
1.《ネタバレ》 暗く厳しいロードムービー。一見、俗世間から解放され、自由で人生を謳歌しているように見えて、一歩間違えば保証もなく死亡リスクも高くなる。年金だけでは暮らせない高齢者なら尚更だろう。望んでノマドになったわけでもない。季節労働者として、雇用の調整弁として大企業から使い潰しにされる。我々の安価で便利な生活は彼らの犠牲によって成り立っているのだ。そして、働けなくなれば野垂れ死の運命が待っている。デイブのように家族の元へ帰ることが出来たら違った結末もあるかもしれない。それでも、ファーンを含めノマドたちは責任と誇りを最後の希望として日々を生きていく。自分の居場所は"ここ"しかないと。普段見ることのないアメリカの厳しい大自然を詩情あふれる映像で捉えた撮影に、人の小ささ、立ち向かう強かさを感じる。日本でも車中ホームレスを取り上げた特集が放送されており、アメリカだけの話ではない。格差の固定は人も社会も支配しやすくする。 |