1.《ネタバレ》 両親を事故で亡くした13歳の不良少女カットと、地獄界の落ちこぼれ悪魔ウェンデルとワイルドの死者の国を巡る大冒険を独創的なタッチで描いたクレイ・アニメーション。僕のこよなく愛する『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』『コララインとボタンの魔女』のヘンリー・セリック監督の最新作ということで今回期待して鑑賞。冒頭、けっこうグロテスクな世界なのに何故かコミカルな地獄シーンで掴みはバッチリ。悪の親玉が作った叫びの遊園地でひたすらいたぶられる死者たち。電気ウナギにビリビリさせられたりジェットコースターで吹っ飛ばされたりと、地獄だから仕方ないんですけどひたすら死者たちがいたぶられ続けます。いやー、良いですねぇ、この唯一無二の世界観。子供向け?のアニメなのに、現実世界でバンバン人が死にまくるのもこの監督ならでは。中にはゴルフクラブで殴り殺された挙句、池に放り込まれる人もいます。それを温かみのあるクレイアニメで描く、というこの違和感が今回も心地良かったです。緑の髪に破れた制服、厚底ブーツを穿いて常に目玉ラジカセでガンガンにパンクを響かせて歩くという主人公カットもすこぶる魅力的。トラブルメイカーで自分のことしか考えていない2人組悪魔ウェンデルとワイルドも何処か憎めない魅力があるとこもナイス!彼らが織りなす大冒険には最後までワクワクが止まらなかったです。虫をぐちゃっと潰したり蘇った死者たちの腕が取れたりウジ虫が這いまわっていたりと細かな描写がグロいとこも個人的にツボでした。もちろんクレイアニメとしてのクオリティがすこぶる高いのも高評価。ストーリーが若干ごちゃごちゃしてていまいち分かりにくいところもありましたが、自分は最後まで楽しめました。