1.《ネタバレ》 実に北欧(ポーランドが北欧なのか自信がありませんが)ホラー的作品。(あくまでも個人的なイメージですが)
これは満点か零点かの両極端に受け止められる作品に違いありません。
かく言う私はというと高評価です。とんでもなく下品でエロくグロい作品ですが、倫理観も宗教観もかなぐり捨てて笑いに昇華させようという作り手の姿勢は、あり意味振り切れていて潔く思えました。
人の命をここまで軽く、人の感情や人間性をここまで軽く、あたかもどうでもいいようなものと描き切る。支持されるか否かは別として潔いとしか言いようがありません。
そして、だからと言って粗雑な見世物的作品なのかと言うと意外にも緻密(と言うと言い過ぎかもしれませんが)で丁寧な作り。登場人物のキャラクターや関係性を漏らさず描き、どうでもいいような伏線回収をきちんと済ませる。相当オタクな作りと言っても良いと思います。
矢鱈理不尽な殺戮シーンが見たいという要望に応えつつ、ただ単に綺麗なオネーさんの裸体を見たいと言うだけの要望にも応え、ナンセンスな笑いが欲しいという要望にも応え、この作品にどうしてそんなに気合いを入れて作ったの?と問いたくなるある意味良く出来た作品でした。(ただ、ラストのパラレルワールドも伏線回収のひとつですが、蛇足とは決して言いませんが、ちょっとヤリ過ぎてしまったが故の言い訳に思えないこともないというか…)
とは言え、日本人的感覚としては手放しで称賛できない不道徳極まりない作品であることも間違いなく、これに満点や9点を献上してはいかんかな?というブレーキがかかった上での7点です。