1.刑務所で仕入れたガセ情報に踊らされ、押し入った農家の家族四人を皆殺しにしてしまった無軌道な二人の犯罪者の顛末。本作は原作の「ノンフィクション・ノベル」の雰囲気そのままに、抑えに抑えた演出と陰影の利いた映像で仕上げた実録映画になってます。昔の記憶では「怖い映画」という印象だけが残ってましたが、再見して、社会の底辺で「犯罪者」となっていく人間の浅はかさと、「動機なき殺人者」の「動機」を丹念に追った見応えのある作品だということが解りました。ことさら被害者達や犯人達へ同情的視線を注ぐことなく、映画は終始冷徹な視線を貫いている。だからこそのラスト・シーン。1967年当時としてはかなり衝撃的だったと思いますが、この映画は現在でも普遍性を兼ね備えていると思います、7点献上。