5.《ネタバレ》 なかなか素晴らしい人情劇だった。
冷酷なスパイが、一人の女性の前では無力となり、正直になる。
どんな人間にも、人間らしさが眠っており、そしてその冷酷さの裏には、幼少期のトラウマがある。
人間を表面的に理解することの問題点をついているような気がした。
殺人を犯す人間にも、それなりの背景と事情がある。
そして優しささえ持っている。
それは、気を許せるほんの一握りの人間の前でしか見せない本当の姿。
スパイもの、戦争ものではあるが、人情劇だと感じた。
そして同時に、戦争の持つ悲惨さ、戦争の犠牲者を描いた内容でもあった。
見応え十分で、イギリス映画らしい、真正面な真面目さが良い方向に出ている。