2.《ネタバレ》 ウォン・カーウァイ製作、クリストファー・ドイル撮影、金城武出演という、まさに鉄板の組み合わせで、監督の腕次第では、『恋する惑星』『天使の涙』に匹敵する作品が出来上がる要素は十分だったのだが・・・
俳優出身のエリック・コットが、カーウァイから打診を受けて2年かけて作ったという不要なエピソードがあまりにしつこすぎて、作品全体の雰囲気を台無しにしている。
金城武とリー・ウェイウェイ共演のパート、「夢遊病の少女と精神病の清掃員」の話が素晴らしいできだっただけに余計に残念!
不夜城の香港を舞台にしていて、香港の夜の雰囲気が十分に表現された傑作だった。
リー・ウェイウェイは脚が綺麗で、しかもそのサービスショットも多く、見とれてしまった。
金城武は、相変わらず香港の夜を彷徨う男が良く似合う。
一方、もう一つのパートである「10年前に結婚が嫌で逃げた男と、逃げられた女の再会と復讐」を描いたパートはいまいちの出来。
ドイルの幻想的な映像とこのような現実的すぎる話は合っていない。
ラストは監督が出てきて、この作品を作り終えた感想を涙顔で語って終わるのだが、これがちっともよろしくない。
大体、おっさんの涙なんてラストに観たくない!
これじゃあ、「天使の涙」じゃなくて「おっさんの涙」だよ!