8.《ネタバレ》 霧、夜という環境。そして貸車、車、牢獄、家、手配書、窓という矩形に囚われ続ける二人。 エディは霧を逃れながら脱獄し、ジョアンは家から離れ、車の窓を壊し、二人は何とか自分たちを捕らえる物から逃れようとする。 陽光が差し込む森で開け放たれた空が視界に現れる時、二人は固定された様々な環境や矩形から初めて解放される。 そして神父の言葉が、エディの笑顔がそこで表象される。 自分にはそれが幸福な結末であるとしか思えない。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-03-20 20:44:42) |
7.《ネタバレ》 あのドイツ時代の『M』の暗さからすれば、すっかりスッキリした画面に変貌したラングである。そのうえこの映像はとくにスタイリッシュな美しいものである。 【ひと3】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-01-19 09:44:02) |
6.ボニーとクライドをモデルにした最初の映画なのだそうだが、犯罪映画というよりもメロドラマ寄り。なんだけど、そこはやはりラング、ねちっこい怖さが充満している。怖いのは国家とか警察とかじゃなく、ラングのほかの作品同様にやっぱり民衆なのだ。大きな悪よりも小さな悪の集まりの怖さを描く。主人公について回る偏見の恐ろしさよ。盗られてもいない金を盗られたと申告するなんてのも偏見と自分本位から成る行為の一つとして印象的に映し出される。主人公の疑心暗鬼はナチスが台頭してきたドイツを逃れてきたラングが実際に経験してきたものなのだろう。疑心暗鬼が引き起こす悲劇というのもまたラングのおなじみの展開である。かといって主人公が全くの犠牲者かというとそうでもない。主人公は冤罪で捕まったが、捕まったから強盗をしなかったのかもしれない。元々偏見の元である犯罪を犯したのは彼自身であり、すぐにカッとなって暴力をふるうという偏見を呼び込むべく人でもあったのだ。そのあたりの単純に善悪の割り切れない人間性を見せているからこの映画は暗く、深く、そしてやっぱり怖いのだ。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-24 16:09:33) |
5.すっげぇ久しぶりにフリッツ・ラングの映画を見たんですが「俺たちに明日はない」や「テルマ&ルイーズ」の教科書みたいな。建物のセットが妙に圧迫感あるけどあるらしさは健在。一人の男が前科があるばかりに世間からのけもの扱いされ流されていく様は見事で当時のアメリカらしい一度犯罪した者はそのまま一生犯罪者、という風潮がよく出てたかと思います。逃亡中に子供が生まれるっつーことは半年~1年近く逃亡してたんかぁ~、いきなり飛びすぎっしょ(笑) |
4.前科があるというだけで、更正しようとどんなに真面目に暮らしても周りの人たちが認めてくれない、自由になるには悲しいかな死ぬしかない辛い現実。まるでベティーちゃんのモデルのような可愛い顔立ちのシルヴィア・シドニーが余りにも可哀そう。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-02 15:47:22) |
3.《ネタバレ》 なるほどね!確かに運命は惨酷だ!何の罪も犯しちゃいないのに、犯罪者扱いされるわ、愛する女も最後はあんなことになってしまうとは、何だかこれ、どこかで観てる?こっちのが先だろうけど「俺たちに明日はない」に似ている。最後、森の中に逃げ込んだ二人、ヘンリー・フォンダに抱かれている妻が言う一言「あなたともう一度生きたい」この台詞、男なら誰もが言われてみたいと思うに違いない。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-06 17:56:03) |
2.つっこみ所は色々あれど「見せる」映画です。えん罪で地獄の一丁目付近まで辿り着こうかという二人が「正義なんて無い!」と思うのは当然。私だって一緒に逃げることを選ぶかも。しかし確かに彼らはもっと別の選択もできたハズ。人生は自らの選択がもたらした自分そのもの。受け入れるしかないでしょうね。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2004-01-13 12:02:49) |
【kaneko】さん 7点(2003-11-07 23:44:22) (笑:1票) |