4.《ネタバレ》 ロペス先生なんですが、見ていて別段教え方がうまいということもないし、個性のある授業をしてるってわけでもないんです。なのに何かとても引き寄せられる魅力のようなものを感じました。
「教職員の技術向上」が叫ばれる昨今の日本ですが、この映画は技術ばかりが重要でないということを思いっきり突き付けてくれました。法令などの決まりごとばかりを作って、それについてこれない教職員には強制的に技術向上の講習を受けさせると言う暴力的とも言っていい教育改革が近年進められていますが、そういう法令案を作る文科省の人達にぜひ見て欲しいと思いますね。現場の先生方ももちろんですが。教え方がそれほどじゃなくても生徒に信頼されてる先生ならそれだけで成功してるとも言えるんじゃないでしょうか。逆に指導技術や成績にしか関心を示さない先生なんていたら恐怖すら覚える気がします。でも今は技術偏重社会ですから、そういうのがいわゆる教育会のトップの人には受け入れられやすいんですよね。とりあえず教科書どおりのことをしてれば高い評価をしてくれるというのか、少し乱暴に言えば、そういう型にはまった回答を与えられないと偉い人というのは安心できないんでしょうね。
「良い先生」と言っても色々あるとは思いますが、このロペス先生は間違い無く「良い先生」のうちの一人でしょう。
ドキュメンタリーですから、華やかさは決して無いんですが、一見の価値は充分ありです☆