1.一人の青年が男を殺し、捕まり、処刑されるまでのストーリーに弁護士を目指す男が試験を受け、合格し、その青年の弁護士となるストーリーが絡みます。さらに殺される男のストーリーが絡み、三つのストーリーが終始ドキュメンタリータッチで淡々と進んでいきます。「殺人」という言葉の重さが感じられやすい手法と言えます。弁護士のストーリーを通して、重い刑罰が犯罪抑止に繋がるのかという問いを投げかける一方で殺人のシーンはいたって生々しく描写する。しかし重要なのは処刑のシーンがあるということ。感情を爆発させる青年が全く動かなくなるまでを淡々と映し出す。決して殺人者を擁護しているわけではない。ただ、死刑もまた殺人となんら変わらないということを見せている。