1.《ネタバレ》 若い頃たくさん見た映画のひとつ。幼いときに両親を失った若者メテロが故郷のフロレンスに戻り、かつての父の同僚らとともに労働運動に関わっていく。その過程で巡り会う女性たち、未亡人ビオラ、妻となるエルシリア、隣の人妻イディナ。イディナに関しては誘われた浮気だったが、ビオラは彼が服役していたときエルシリアを助けてくれた。
またかつての労働運動の闘士を父に持つ妻エルシリアは、メテロの心情をよく理解し助けていく。彼女が夫の浮気を知ったときも、彼をたいしてとがめようとはせず、イディナを叩き出すというまさに良妻中の良妻。こういう女性は大事にせにゃあかん。
この映画は初めとラストが釈放された夫を妻が出迎えるシーンは同じ。しかし冒頭の母親は身も心も疲れ果て亡くなってしまうのに対し、エルシリアは強い女性である。息子がたとえ父親と同じ運命をたどったにしても、立派に支えることだろう。
待望のDVDが出て、改めて鑑賞。やはり良い映画だ。また哀愁を帯びたモリコーネの音楽も実にすばらしい。