1.《ネタバレ》 人が死に直面した時、何を思うか?
それを深く追究した内容。
原作はアルベール・カミュの名作で、原作は既読だが、映画を見る際に、原作を既読か未読かなんてことはどうでもよいことだ。
誰もがいつかは死を迎える。
その際、人は何を思い、どう気持ちが弱るのか?
とても考えさせられる内容だった。
どんなに気丈にふるまい、自分を鼓舞しようと、最後の最後は何かにすがるのだと、本作は言いたいらしい。
でも、おそらくそうなのかもしれない。
だけど、そんなことは死の間際に考えればいいだけだ。
それをもって、宗教に日頃から傾倒すべき理由にはならない気がする。
もう一つ、無気力、無関心というものが、いかに人間の精神を蝕むか。
そこにも焦点が当てられている。
ここは特に興味深い。
やはり、少しでも生きている幸せを実感にするには、何かに関心を持ち、感動する心を持っている必要があるのだろう。
何か面白いこと、興味をひかれること、そして感動すべき何かを模索することが、鬱々とした気分になった際の、処方箋になるのではないだろうか。